塗料・塗膜のレオロジー特性と付着性~塗膜強度とは・内部応力の解析と評価法・欠陥対策~
様々な応用の利くレオロジーを使いこなすための基礎知識や内部応力の理解、およびはく離をはじめとした欠陥対策に向けた実務対応力を養います。
(*レオロジーとは:物質の変形および流動一般を取り扱う学問分野です。すべての物質は粘弾性体であり、いろいろな現象にレオロジー的な考えを適用することができます。)
セミナー趣旨
本テーマ「塗料・塗膜のレオロジー特性と付着性」を以下の観点から解説します。
1)液体、固体に拘わらず、全ての物体は粘弾性体です。レオロジーを使いこなすための基礎的な考え方を第1章と第2章に示します。
第1章(レオロジーから見た塗料と塗膜)では、応用の効く粘弾性現象を取り上げます。
例えば、塗料に弾性(固体の性質)を付与するメリットとは何か、高速変形の方が塗膜の弾性率が高くなるのは何故かを解説します。
2)第2章では、塗膜物性にレオロジーを適用して、欠陥対策に繋げます。具体的には、次の2項目を取り上げます。
(1) 塗膜の吸水により発生する白いシミの発生と、弾性回復による白いシミの消失
(2) 塗膜のTg付近の動的な硬さと、PPブラシ(傷つき物体)の動的な硬さとの比較
3)塗膜は付着状態で、その強度を発揮する必要があります。第3章では、付着性の見方・考え方のポイントについてまとめ、
付着性を如何に確保するかを優先的に考えます。
4)コーティング材料(塗料)は流動状態で被塗物を覆い、付着、固化します。液体が固体になる塗膜形成過程では自由に体積収縮が
できないため、収縮力が発生します。単位断面積あたりの収縮力を収縮応力、あるいは内部応力と呼びますが、内部応力が塗膜の
抗張力よりも大きい場合には、塗膜に割れや、はがれが生じます。第4章では、内部応力の発生要因とその評価技術をまとめます。
5)第5章では、付着塗膜の強度を向上させる方策として次に示す方策を取り上げ、その効果をまとめます。
(1)膜厚方向での物性傾斜の設計技術とその評価
(2)顔料粒子/ポリマー間の相互作用を高める手法とその評価
6)第6章では、主として塗膜の割れやはがれに関する欠陥現象を取り上げ、原因と対策について解説します。
一方、塗料については水性塗料を取り上げ、ハジキを治すには塗料に弾性要素を付与することが有効であると考えます。
受講対象・レベル
塗料や塗装、コーティング技術に関わる技術者の方々
習得できる知識
塗料・塗膜の強度や付着性能を左右するレオロジーおよび内部応力の基礎知識、および実務対応力を養います。
セミナープログラム
第1章 レオロジーから見た塗料と塗膜
1.1 塗料の必要条件-塗れる・くっつく・固まる
1.2 粘弾性の用語とその意味について
1.3 液体の粘弾性を観察しよう:とろろ汁の引き上げ高さと速度実験
(1) 塗料に弾性を付与するメリット
(2) 塗料が受けるずり速度の求め方
1.4 固体の粘弾性を観察しよう:ゴムボールのはずみ高さと温度実験
1.5 塗膜の引張り強度が速度で異なる挙動を示すわけ
1.6 温度変化を速度に換算する法則(WLF式)とは
1.7 引張り試験と動的粘弾性測定で分かる物性値
1.8 2液型エポキシ樹脂塗膜の橋かけ密度が塗膜強度やガラス転移点Tgに及ぼす影響
1.9 塗膜強度の支配要因
第2章 レオロジーの活用技術(事例から学ぶレオロジー)
2.1 白いシミの発生・回復(消失)をレオロジーから解析し、対策する
2.2 洗車機による塗膜の傷付き事例をレオロジーから解析し、対策する
第3章 付着性の見方・考え方
3.1 くっつく力の発生
3.2 付着性理論
3.3 付着強さの評価・試験法
-付着強さのデーターは何を表しているのか-
3.4 付着性に及ぼす要因とその影響
3.5 水による付着劣化を防ぐ方法
第4章 内部応力の話
4.1 内部応力の発生機構
(1) 塗膜/PET 2層板の湾曲
(2) ガラスコップの割れ
(3) 焼付け塗料では
(4) 常温乾燥・常温硬化塗料では
4.2 内部応力の測定法
(1) バイメタル
(2) FSB法
4.3 内部応力の支配要因
4.4 内部応力を低下させる塗料設計
第5章 付着塗膜の強度を向上させる話
5.1 付着塗膜の強さ-たわみ性・耐衝撃性を向上させるには
(1) 付着塗膜の折り曲げ試験に及ぼす下塗り塗膜の付着性
(2) 付着塗膜の耐屈曲性試験機の改良
(3) 塗装系の設計
5.2 塗り重ねによる膜厚方向への物性傾斜は可能か、そのメリットはあるのか
5.3 塗り重ね(塗装系)の塗膜のどこに注目したら良いか
5.4 顔料粒子/ビヒクルポリマー間の相互作用を高める手法
第6章 塗膜の割れ・はがれに関する欠陥事例とその対策
6.1 塗装系の割れとその対策
6.2 塗膜のはく離と対策事例
(1) 鋼管内面コートのはく離
(2) 亜鉛メッキ塗装系の外面コートのはく離
6.3 水性塗料のハジキ防止に寄与する添加剤の配合効果
<質疑・応答>
*途中、お昼休みや小休憩を挟みます。
セミナー講師
元 職業能力開発総合大学校 専門基礎学科 准教授 工学博士 坪田 実 氏
セミナー受講料
【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 50,600円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき39,600円
【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 56,100円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき45,100円
*「見逃し視聴あり」でお申込の場合、当日のご参加が難しい方も後日セミナー動画の視聴が可能です。
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
主催者
開催場所
全国
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