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超伝導現象の基礎をはじめ、量子計算や高速通信に
応用されるトンネル現象・高周波現象などについて解説!
セミナー趣旨
2019年秋、Googleが開発した量子計算機が量子超越性(Quantum Supremacy)を達成したと報告され、量子計算技術のマイルストーンとなった。現在開発されている量子計算機の中核技術のひとつは超伝導ジョセフソン効果であり、Googleだけでなく、最適化計算を専門に行う量子アニーリング装置を開発・市販しているD-waveの装置のプロセッサーは膨大な数のジョセフソン接合を含んでいる。本セミナーでは、超伝導現象の基礎から始まり、量子計算や高速通信などに応用されるトンネル現象・高周波現象について解説し、実デバイスへの応用可能性を紹介する。
受講対象・レベル
・超伝導を応用したデバイスの導入・開発を始めようとしている方
・量子計算および周辺技術の開発に従事されていて、その原理の理解が課題となっている技術者
・これから量子計算および周辺技術の開発を始めようとされる開発マネージャー
・77ケルビン以下の低温環境を活用する先端技術要素を探索している企業
・量子計算機関連技術への投資を考えている方
必要な予備知識
・大学教養課程レベルの物理・化学の知識
・ 書籍「はじめてナットク!超伝導―原理からピン止め効果の応用まで」(村上雅人著・講談社ブルーバックス・1999年9月)
・書籍「これ一冊でわかる 超伝導実用技術」(一般社団法人未踏科学技術協会 超伝導科学技術研究会・日刊工業新聞社・2013年2月)
習得できる知識
・量子力学・統計力学の応用例
・超伝導現象の原理
・超伝導デバイス概説
・超伝導体を用いた量子計算・高周波デバイスの技術動向
・超伝導体を応用した一般の技術動向
・各種テラヘルツ光源の技術動向
セミナープログラム
1 Society 5.0に向けた超伝導・テラヘルツ技術
1.1 最適化演算・ビッグデータ処理
・量子計算
・データセンター電源
1.2 超高速データ通信・大容量データ転送
・移動体間次世代通信
1.3 装置内部通信
2 超伝導量子コンピュータの開発
2.1 機械学習から人工知能へ
2.2 D-Wave, Google, IBM, Intelなどがハードウェア開発
2.3 巨大国家プロジェクトが続々スタート、日本は・・・
2.4 世界初の商用量子計算機D-Wave
・D-waveのテクノロジー
・D-waveの超伝導回路(SQUID)
・量子アニーリングとは?
2.5 超伝導量子計算機をめぐる最近の動き
2.6 まとめ
3 超伝導の基礎概念
3.1 超伝導の発見とその背景
・ 電子の発見
・ 絶対零度付近における金属の電気抵抗 (1900)
・H. K. Onnesによるヘリウムの液化 (1908)
・「超伝導」の発見
3.2 周期律表における超伝導元素
3.3 超伝導転移温度更新の歴史
3.4 まとめ
4 超伝導の特徴
4.1 完全導電性
4.2 マイスナーオクセンフェルド効果
4.3 Bardeen-Cooper-Schrieffer 理論
4.4 ギンツブルグランダウ理論
4.5 コヒーレンス
4.6 磁束の量子化
・量子化磁束(渦糸)
・第2種超伝導体の基底状態
・第2種超伝導体の発見で実現されたもの
4.7 ジョセフソン効果
4.8 まとめ
5 様々な超伝導体
5.1 銅酸化物超伝導体の発見
5.2 代表的な銅酸化物高温超伝導体
5.3 銅酸化物高温超伝導体の結晶構造
5.4 高温超伝導体の物理
5.5 鉄系超伝導体
5.6 軽元素からなる超伝導体
・層状物質
・高ドープワイドギャップ半導体
・アルカリ元素ドープフラーレン
5.7 -70℃超伝導(圧力下)
5.8 氷温超伝導
5.9 まとめ
6 ジョセフソン接合の物理
6.1 直流ジョセフソン効果
6.2 SQUID
6.3 交流ジョセフソン効果
6.4 ジョセフソン接合におけるスイッチングダイナミクス
6.5 巨視的量子トンネル現象
6.6 振動子としてのジョセフソン接合
6.7 ジョセフソンプラズマ振動
6.8 固有ジョセフソン接合
・固有ジョセフソン接合の特徴
6.9 まとめ
7 超伝導体を用いた量子計算技術
7.1 量子計算技術の現在
7.2 量子アニーリング装置
7.3 電荷量子ビット
7.4 磁束量子ビット
7.5 位相量子ビット
7.6 その他
8 高温超伝導体からのテラヘルツ放射
8.1 テラヘルツとは
8.2 テラヘルツ波の応用
・医療・薬品応用
・セキュリティ・非破壊検査
8.3 テラヘルツ光源
・パルス光源
・固体デバイスからの連続放射
8.4 ジョセフソンプラズマ振動
8.5 層状高温超伝導体におけるジョセフソンプラズマ
8.6 ジョセフソンプラズマ放射の実証
8.7 発振器としての代表特性
8.8 空洞共振効果と同期発振
8.9 円偏光テラヘルツ波の放射
8.10 まとめ
9 超伝導現象の応用
9.1 超伝導磁石(MRI、加速器、超電導リニアなど)
9.2 SQUIDを用いた非破壊検査
9.3 超高感度検出器
9.4 フィルター
9.5 将来展望
セミナー講師
京都大学 工学研究科 准教授 掛谷 一弘 先生
■ご略歴:
1994年 大阪大学理学部物理学科卒業
1998年 大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)
1998年 筑波大学物質工学系助手
2002年 同講師
2008年 京都大学大学院工学研究科准教授、現在に至る
その間、フランスパリ高等師範学校客員教授、京都大学宇宙ユニット併任教員などを兼任
■ご専門および得意な分野・研究:
低温物性物理学(実験)、とくに超伝導体の伝導現象について
■本テーマ関連学協会でのご活動:
日本物理学会、応用物理学会、低温工学・超電導学会
セミナー受講料
1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
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