異種材料接着・接合における界面現象のシミュレーションと評価技術

 異種材料はどのように接着・接合しているのか?
 メカニズムから徹底解説!
 界面では何が起きているのか?
 シミュレーションを用いた接着・密着強度の予測技術を詳解!


講師


1. 岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 教授 博士(工学) 平原 英俊 氏

2. 工学院大学 工学部 機械工学科 教授 工学(博士) 立野 昌義 氏

3. (株)日立製作所 材料イノベーションセンタ 主管研究員 博士(理学) 岩﨑 富生 氏

4. 名古屋工業大学 大学院工学研究科 物理工学専攻 教授 理学博士 尾形 修司 氏


受講料


1名につき60,000円(消費税抜き・昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円(税抜)〕


プログラム


【10:00〜11:30】
異種材料接着のメカニズムと材料表面の分析手法
講師 岩手大学 平原 英俊 氏 


講座概要

 ゴム・樹脂材料の多くは、単独では強度が弱いため補強して使用される。
 金属、セラミックス、繊維および木材などの材料はエラストマー・樹脂材料の有効な
補強材であるが、この補強化技術の一つに接合、接着がある 。
 工業機能部品、電子電気部品、塗料部品などプラスチックやタイヤ、ベルト、防振ゴム、
免震ゴム及び工業機能ゴム製品などの多くのもの作りは接合技術を用いて製造されている。
 もの作りでは製品設計,生産加工技術そして機能性を発現させるために接合技術が重要な
役割を担っている。
 本講座では、異種材料の接合について、主として材料の表面界面制御が接合の信頼性を
高める上で重要であることを説明し、実践的な内容と考え方を解説する。
シランカップリング剤の反応に影響を与える因子とその評価方法について解説した上で、
洗浄工程における重要性をXPS、接触角測定、FT-IR測定によって材料の表面を分析し、
材料表面状態に及ぼすシランカップリング剤の反応条件と接着力の影響、
シランカップリング剤の金属表面処理方法について事例を交えて紹介する。
 さらに、接着メカニズムを理解する上で、接合物界面をAFMとFT-IRを複合化した
分析装置(AFM-nnoIR)(赤外スペクトル、赤外吸収マップ、AFM像測定)そしてAFMと
局所熱分析を複合化した分析装置(AFM-TA)を用いてのナノオーダーでの局所分析にも言及したい。

1.接着技術の必要性
 1-1 材料の変遷と複合材料の活用
 2-2 接着技術の現状と課題

2.接着過程における諸因子
 2-1 ポリマーの流動と接着
 2-2 界面の安定化
 2-3 接着における界面結合力
 2-4 接着物の環境要因による剥離現象の解明

3.接着の評価解析に利用される分析機器の特徴と分析事例
 3-1 表面分析方法の分類
 3-2 各種表面分析機器の特徴と活用と分析方法
 3-3 接着界面の安定と界面分析事例
 3-4 樹脂と金属の接着界面の劣化とはく離要因の関係
 3-5 ゴムと金属の接着界面の耐久性評価

4.接着安定性に及ぼす金属の表面性状の影響
 4-1 金属の前処理方法の種類
 4-2 洗浄による表面状態とその表面の特性
 4-3 金属酸化物の形成とシランカップリング剤の反応性

5.シランカップリング剤の反応性
 5-1 シランカップリング剤の機能
 5-2 シランカップリング剤の反応性
 5-3 シランカップリング剤の反応量の測定方法
 5-4 AFM-nanoIR, AFM-TAよる表面界面局所赤外分析と熱分析

【質疑応答】


【12:10〜13:40】
異材接合材料の強度と破壊様式およびその解析事例
講師 工学院大学 立野 昌義 氏


  【講座概要

1.本講座の主旨
 異材接合材料では、界面結合力のみならず接合界面周辺の力学的特性を把握することが
重要となる。本講演では、異材接合界面端部近傍の力学的パラメータに基づく強度評価について
解説する。あわせて、セラミックを含んだ異材接合体強度の高度化手法や界面の信頼性評価に
関する研究例を紹介する。

2.アピールポイント
異材接合の強度や破壊に関する解析事例および最新事例を紹介する.
異材接合界面端部近傍の力学的特性の解説を行う。

1.はじめに
 1-1 異材接合界面端近傍における力学的問題点
 1-2 異材接合界面端近傍の力学的特性評価
 1-3 異材接合構造の設計への展開

2.異材接合界面端部の力学的特性
 2-1 異材接合体の力学的モデルと理論熱弾性解析
 2-2 接合界面端における特異場パラメータ

3.異材接合体の引張強度と破壊様式
 3-1 セラミックス/金属接合体の破壊様式の解析
 3-2 セラミックス/金属接合体強度および破壊様式に及ぼす界面端形状の影響

4.界面端近傍の残留応力の解析
 4-1 解析モデルの妥当性と解析解

5.異材接合体強度の高度化手法
 5-1 応力特異性指数に基づく異材接合体強度の高度化

6.まとめと今後の展開

【質疑応答】


【13:50〜15:20】
3.分子シミュレーションによる異種材料界面の密着強度予測技術
講師 (株)日立製作所 岩﨑 富生 氏


1.界面の密着強度を高める材料設計とは

2.材料設計における高効率化の課題


3.樹脂との密着強度に優れた金属を設計する解析モデル


4.密着強度の計算手法
 4-1 金属/金属界面の密着強度
 4-2 金属/酸化物界面の密着強度
 4-3 樹脂/金属界面の密着強度

5.界面のマイグレーションによるボイドと剥離の評価

6.界面の相互拡散による化合物層形成の評価

【質疑応答】


【15:30〜17:00】
金属-樹脂間の接着強度に及ぼす水分効果に関するシミュレーション技術
講師 名古屋工業大大学院 尾形 修司 氏


講座概要

 金属-樹脂間の接着力に関するこれまでのシミュレーションは、実験値よりも1桁も
大きな結果を示し、信頼性がなかった。
 しかし、スパコンのメニーコア型への発展及びそれを活用する計算法の考案により、
接着力に関する電子レベルからの第一原理的シミュレーションが可能となりつつある。
 スパコン上での大規模なシミュレーションにより、実験結果と直接比較できる精度で
理論的に接着力を再現することに初めて成功し、さらに長年の問題である水分含有による
接着力低下現象に理論的に取り組めるようになっている。
 本講演は、上記をわかりやすく概説する。


1.大規模系に適した電子状態計算コードの開発
 1-1 簡単に使える汎用的なDFTコード
 1-2 分割統治の考え方による高速化(オーダーN化)
 1-3 数千原子規模の対象系での適用例

2.ハイブリッド量子古典シミュレーション
 2-1 QM/MMを超える,汎用的なハイブリッド量子古典法
 2-2 固液界面系での適用例

3.エポキシ樹脂のモデル化
 3-1 エポキシ分子に含まれる個々の官能基を強調する様々なモデルの考案

4.表面酸化した金属Alのモデル化
 4-1 酸化反応過程を再現できる経験的原子間ポテンシャル
 4-2 表面酸化した金属Alの作成

5.大規模なハイブリッド量子古典ミュレーション
 5-1 実験結果と合致する接着力の再現
 5-2 界面に侵入した水分子による様々な化学反応の発見

【質疑応答】


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開催日時


10:00

受講料

64,800円(税込)/人

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主催者

キーワード

高分子・樹脂加工/成形   複合材料・界面技術

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