アワビ陸上養殖の現状と展望〜アワビやその他魚種の陸上養殖および半閉鎖循環養殖の取組事例〜

アワビ陸上養殖で黒字化を目指す!
コスト試算・ビジネス化の要点!


★「知見豊富な養殖学の権威」と「水処理を軸とした現場設備のエキスパート」
  2名による講演!


講師


鹿児島大学 名誉教授 水産学博士 門脇 秀策 先生
【講師紹介】
 鹿児島大学大学院修了。水産学博士。1999年教授。2016年4月より鹿児島大学名誉教授。2018年3月より鹿児島大学水産学部特任教員。専門は水産増養殖学、養殖環境保全学。
 持続生産可能な環境保全型養殖をめざして、アワビと海藻とナマコの海面および陸上の複合養殖について研究中。 これまでに、日本水産増殖学会評議員、日本水産資源保護協会の環境保全型養殖普及対策検討委員、水産庁の海面養殖業ゼロエミッション推進対策調査事業複合養殖実証試験総合検討会委員、農林水産省技術会議の地球温暖化に伴う水産対策・水産適応の検討会委員、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業評価委員を歴任。
 現在、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業研究支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」評価委員、任意団体海の森づくり推進協会理事、鹿児島県環境影響評価専門委員、鹿児島県魚類養殖協議会委員として活躍中。

(株)プレスカ 専務取締役 佐藤 順幸 先生
【講師紹介】
 東京水産大学(現東京海洋大学)修士課程終了後、水処理メーカーで水質・設備管理、浄化装置(炭酸ガス中和装置、油水分離装置等)及び養殖機器(泡沫分離装置、液体サイクロン等)の研究・開発に従事。2008年に(株)プレスカ設立に参加し、魚介類蓄養・養殖設備に用いられる浄化機器(特に泡沫分離装置)、閉鎖循環式アワビ養殖システム、排水中和システムの設計、技術指導を行っている。


受講料


1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき35,640円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。


セミナーポイント


* 同講師陣による本セミナーは2014年より毎年7月に実施しており、今回で6回目となります。
 
▽ 過去の受講者の声(アンケートより)
「セミナー全体にわたって興味深かった」(設備開発)
「新規事業情報の収集のために受講しました。有益な話が聞けました」(事業企画)
「アワビ真珠に興味があり、事業を計画するためやってまいりました。わかりやすくて、
 ためになりました」(経営)
「事業化のネタを探すため参加しました。コストパフォーマンスの話が聞けてよかったです」
 (建設・新規事業)
「個別の質問にも真摯に答えてくれて、ありがたかった」(エンターテインメント事業)

■ 参加対象者
 ・陸上養殖に興味のある方
 ・新規事業として陸上養殖の領域を検討している方
 ・既存の養殖場をリニューアルしたい方
 ・遊休地、耕作放棄地などの有効利用を考えている方
 ・アワビなど高級食材の養殖・生産に興味をお持ちの方 など

■ 得られる情報
 ・陸上養殖についての基礎知識と各魚種への適用取組事例
 ・陸上養殖に用いられる設備と技術
 ・アワビ陸上養殖の事業性・収支の例
 ・陸上養殖に不可欠な水処理設備技術
  *デモを行います。実際に水がきれいになる様子を間近でご覧いただけます
 ・採算のとれる養殖にするための指針・アイデア など


セミナー内容


■第1部 10:30-14:15(途中・昼食休憩:12:00-12:45)
アワビ陸上養殖システムの基本と事例紹介
鹿児島大学 名誉教授 門脇 秀策 先生

■ 講師より
 本セミナーでは、アワビ陸上養殖の現状と展望を解説し、陸上養殖システムの特長を中心に、養殖管理技術の基本となるアワビの生理と水質環境、海藻餌飼料を詳説し、事業化のポイントについて導入事例を交えながら紹介します。現在、注目されている初期施設投資が不要な「廃校を利用した半流水式アワビ陸上養殖」、「地下海水とナノ技術によるアワビの陸上速成養殖」、海外での「海洋深層水を利用した海藻とアワビの陸上複合養殖」の具体例を交えながら、「養殖アワビの付加価値を高める6次産業化に向けた商品開発」も紹介します。

■ プログラム
1 アワビ陸上養殖の現状と展望
 1-1 アワビ類の漁獲量と養殖生産量の現状
 1-2 アワビの輸入量と金額
 1-3 アワビ陸上養殖の技術的課題と事業化への具体的方策

2 養魚と海藻とアワビとナマコの海面複合エコ養殖
 2-1 これからの環境政策
 2-2 養殖の方向性
 2-3 持続的養殖生産と環境負荷低減への取り組み

3 アワビの半閉鎖式陸上養殖
 3-1 陸上養殖システム開発のコンセプト
 3-2 陸上養殖システムの特長
 3-3 循環式陸上コンテナによるアワビ養殖法と経済性

4 アワビの生理
 4-1 水温と殻長成長速度
 4-2 呼吸速度(酸素消費量)とアンモニア排泄速度
 4-3 好適な水温、溶存酸素濃度、アンモニア濃度、塩分、pH
 4-4 陸上養殖アワビの成長曲線、殻長と殻付重量との関係式

5 アワビ陸上養殖システム
 5-1 船用冷凍コンテナ, 飼育水槽、空調機、泡沫分離装置
 5-2 陸上養殖システムの経済(収支)試算内訳
 5-3 半閉鎖循環式陸上コンテナ養殖と垂下式海面カゴ生簀養殖の比較
 5-4 陸上養殖システムの今後の課題、コストダウンの指針
 5-5 アワビと海藻とナマコの陸上複合エコ養殖システムの実用化研究
 
6 アワビの海藻餌料とABKELP飼料
 6-1 海藻類の餌料価値
 6-2 アワビ養殖用餌飼料の産地・単価・栄養成分の比較

7 アワビ陸上養殖の事例紹介
 7-1 廃校を活用した少量流水タンク式養殖 (日本白神水産(株))
 7-2 廃校を活用した少量流水バケツ式養殖 (鹿児島水産センター(株))
 7-3 地下海水とナノバブル技術による少量流水式養殖 (丸福水産(株)ナノクス)
 7-4 甑島深層水と泡沫分離・水温制御・複合養殖による半閉鎖循環式養殖 (中野建設(株))
 7-5 ハワイ海洋深層水による紅藻と流水式養殖 (Big Island Abarone Cooporation, USA)

8 養殖アワビの6次産業化の取組み 〜付加価値、ふるさと納税食品・雇用拡大に向けて〜

 8-1 アワビの「煮物」、「燻製」、「干し」
 8-2 アワビの「貝殻細工」、「半円真珠」

<質疑応答・名刺交換・個別相談>


 
■第2部 14:30-17:00
陸上養殖における高度水処理技術とアワビ陸上養殖の事業化ポイント
 〜マイクロバブル、泡沫分離のデモンストレーションつき〜
(株)プレスカ 佐藤 順幸 先生 
 
■ 講師より
  「閉鎖循環式陸上養殖」は次世代の養殖技術として注目の高い技術であり、異業種からの参入・検討が増えてきていますが、事業化に成功している例は少ないのが現状です。アワビは魚類と比べて水質に敏感であり、また生産期間も長いため、採算性において大きな問題を抱えています。しかし、アワビは人気、魅力の点で養殖対象種としてはトップクラスであり、現状の問題点を克服することによる効果を考えると、閉鎖循環養殖に適した魚介類の一つであることは間違いありません。
 本セミナーでは、掛け流し養殖ですが30年前に大々的に行われた異業種参入型養殖と産学官養殖プロジェクトの事例を紹介し、閉鎖循環式のアワビ養殖の収支(コスト)試算例をもとに、アワビ養殖の魅力、現状の課題、事業化を実現するためのポイントを説明します。 
 閉鎖循環式養殖は、海水を交換せずに浄化して再利用するため、高度な水処理システムが必要になります。本セミナーでは閉鎖循環式養殖には必要不可欠な泡沫分離装置を中心に、水処理システムに必要な機器について、導入事例と一部デモンストレーションを交えながら原理、特長を詳説し、間違いのない機器選定をするためのポイントを解説します。また、現在注目されているファインバブルと低塩分飼育、アワビ養殖では最も重要な種苗について解説し、さらに、現在取り組んでいるアワビ以外の「陸上養殖」プロジェクトも紹介します。

■ プログラム
1 陸上養殖について
 1.1 陸上養殖の概要
 1.2 閉鎖循環養殖の魅力と課題
  ・なぜ閉鎖循環式養殖が注目されるのか
  ・アワビ養殖で閉鎖循環式にするメリット
  ・閉鎖循環式養殖の課題
 1.3 掛け流し式大規模アワビ養殖:異業種の養殖参入事例
  ・なぜアワビ養殖事業に参入したのか
  ・アワビ養殖事業のコンセプト
  ・顧客のニーズと販売実績
  ・施設概要
  ・事業はなぜ継続しなかったのか
 1.4 閉鎖循環式クロアワビ養殖プロジェクト(愛知県蒲郡市)
  ・産官学連携〜高校生参加による効果〜
  ・5年間のプロジェクトを終えて 〜総括と今後の取り組み〜

2 現在注目されている技術のアワビ養殖への導入の可能性
 2.1 低塩分飼育
  ・金魚とトラフグは同居できるか
  ・トラフグが低塩分海水で飼育できる理由とメリット
  ・アワビは低塩分海水で飼育できるか
 2.2 ファインバブル
  ・各種ファインバブ発生器
   〜回転翼剪断型マイクロバブル発生器の実演〜
  ・導入における注意事項 〜細かいだけが評価基準か?〜
  ・アワビ養殖にメリットはあるか 〜ウナギ養殖との比較〜

3 閉鎖循環式養殖における水処理システムの重要性
 3.1 アワビ養殖で求められる水質と浄化装置
 3.2 餌が水質に与える影響
  ・配合飼料と天然飼料による水質変化
  ・配合飼料のメリットとデメリット
 3.3 ベストな水処理システムを構築するには
  ・経験ではなく設計の重要性
  ・機器の性能把握
  ・負荷(酸素消費量、アンモニア排泄量など)の把握
  ・システムの構築
 3.4 水処理システムで泡沫分離装置が注目される理由
   〜デモを交えながら、20年の経験で得られた知見を紹介〜
  ・水質浄化メカニズムと機能
  ・性能は気泡供給機で決まる 〜回転翼剪断式とベンチュリー式を例に〜
  ・導入事例から見える泡沫分離装置の必要性 〜微粒子除去の重要性〜
 3.5 ベース技術である生物ろ過槽(硝化)
  ・設計で重要なこと
  ・ろ材熟成の重要性と注意点
  ・硝化以外のアンモニア除去方法
  ・規模とコスト
 3.6 アワビ養殖では絶対に必要な脱窒装置
  ・各種脱窒装置
  ・脱窒装置のメリットとデメリット
  ・硫化水素の危険性をなくすには
  ・酸素リッチでも硝酸除去が可能な新しい脱窒技術(好気脱窒)
  ・硝酸が魚介類に与える影響と除去することで得られるメリット

4 アワビ養殖における種苗の重要性
 4.1 アワビの成長は種苗の質に左右される
 4.2 アワビ種苗の輸送方法
  ・現状の輸送方法
  ・アワビ養殖における種苗輸送の重要性
  ・高性能活魚輸送車による輸送の必要性
 4.3 アワビ種苗の入手
  ・自社生産と種苗会社から購入のメリットとデメリット
  ・民間種苗生産会社の概要

5 閉鎖循環式アワビ養殖の採算性
 5.1 閉鎖循環式養殖は儲かるか
  ・コスト試算
  ・イニシャルコスト、生産原価から見える問題点
 5.2 採算のとれる養殖にするためには
  ・採算性を改善するための有効なポイント
  ・断熱パネルとエアコンによる水温調節
  ・廃校舎等の遊休建屋の活用

6 アワビ以外の取り組み
 ・高級食材ドウマンガニ、ソフトシェルクラブ養殖(静岡県浜松市)

<質疑応答・名刺交換・個別相談>


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開催日時


10:30

受講料

46,440円(税込)/人

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開催場所

神奈川県

MAP

【川崎市幸区】川崎市産業振興会館

【JR】川崎駅 【京急】京急川崎駅

主催者

キーワード

食品加工   環境マネジメント   生産工学

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