以下の類似セミナーへのお申込みをご検討ください。
【量子切断蛍光体】発光量子収率が100%を超える可能性!?
★ 次世代の蛍光体材料の動きをつかむ!
講師
京都大学 大学院 人間・環境学研究科 相関環境学専攻
教授 博士(工学) 田部 勢津久 先生
【講師紹介】
1986年 京都大学工学部工業化学科卒業
1990年 同大学院工学研究科工業化学専攻博士課程中退
1990年 京都大学教養部化学科・助手
1996年 米国NJ州立Rutgers大学客員研究員
2001年 京都大学総合人間学部・助教授
2008年 京都大学大学院人間・環境学研究科・教授
・専門:無機材料科学,発光材料
受講料
1名41,040円(税込(消費税8%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき30,240円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
セミナーポイント
■講師より
量子切断は,希土類イオンのエネルギー準位を巧みに利用し,1つの高エネルギー光子を低エネルギー光子2つに変換する現象であるが,1957年の論文で初めて,発光量子収率(発光フォトン数/吸収フォトン数)が100%を超える可能性が示された.実際には1974年にPr3+添加YF3結晶で,深紫外光光子から2段階遷移により2つの可視光光子への変換に成功,量子切断が初めて実証された.以後希土類2,3共添加系の組合せ数種類で,エネルギー(ET)機構による波長変換が実証されている.近年は酸化物,フッ化物中のTbやErからYbイオンへのETによる,青色光→波長1um光への波長変換が実証され,主に結晶シリコンを中心とする太陽電池効率向上への応用が期待されている.
本講では,量子切断の原理,基礎となる希土類4f電子エネルギー準位,量子効率を支配する輻射,無輻射遷移とその確率,エネルギー移動確率,その支配因子と評価方法,量子効率の精密評価方法,及び量子切断が可能な各種具体例と機構について解説する.
セミナー内容
1.量子切断現象の歴史
1.1.Dexter論文による1957年予言
1.2.Pr3+:YF3における実証実験
1.3.Gd3+-Eu3+系における機構
1.4.Yb3+をアクセプタとする組合せによる青色→1μm変換
1.5.半導体太陽電池の感度曲線とShockley-Quisser限界
1.6.波長変換による太陽電池の効率向上アイディア
2.量子切断の原理・機構
2.1.単一イオン内多段階輻射遷移
2.2.ドナー・アクセプタ組合せとエネルギー多段階移動機構
2.3.協奏エネルギー移動機構
3.希土類発光材料の基礎
3.1.量子数と電子軌道
3.2.電子配置の築き上げ原理と元素の周期律
3.3.ランタニド元素/イオンの電子配置と4f電子軌道
3.4.多電子系4f電子配置とRussel-Saunders表記
3.5.誘導光吸収と光学遷移確率
3.6.自然放出と遷移確率
3.6.1.電気双極子遷移
3.6.2.磁気双極子遷移
3.7.Judd-Ofelt理論
3.7.1.遷移吸収断面積の実験的決定法
3.7.2.配位子場パラメータΩtの算出法
3.7.3.Ωtパラメータから自然放出輻射遷移確率の計算法
3.8. エネルギー移動と増感現象
3.8.1.多極子相互作用機構
3.8.2.原子価間電荷移動IVCT機構
3.8.3.金属間電荷移動MMCT機構
4.蛍光寿命,量子効率,その温度依存性
4.1.蛍光減衰曲線
4.1.1.測定法の実際,寿命算出で気をつけるべきこと
4.1.2.減衰曲線に立ち上がりがある場合の理由と解析法
4.1.3.無輻射遷移確率と量子効率の評価法
4.2.蛍光寿命と量子効率の関係
4.3.配位座標モデル
4.3.1.Franck-Condonの原理
4.3.2.振動準位とスペクトル線幅
4.3.3.消光失活過程
4.3.4.交差緩和失活確率と温度依存性
4.4.多フォノン放出過程と確率
4.4.1.エネルギーギャップ則
4.4.2.フォノンエネルギー依存性とホスト選択
4.4.3.多フォノン緩和確率の温度依存性とそのエネルギーギャップ依存性
4.5.エネルギー移動と蛍光減衰曲線
4.5.1.ドナーの蛍光減衰曲線からエネルギー移動効率を求める
4.5.2.エネルギー移動効率と蛍光寿命の関係
5.絶対量子効率評価
5.1.量子効率と量子収率
5.2.全光束,全放射束測定の必要性
5.3.積分球の原理
5.4.標準ランプ補正と補助ランプ補正.
5.5.二次吸収補正
6.波長変換材料の実例と光物性,エネルギー移動機構
6.1.Ce3+-Yb3+系
6.2.Pr3+-Yb3+系
6.3.Tb3+-Yb3+系
<質疑応答・名刺交換・個別相談>
関連セミナー
もっと見る関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
-
-
質量とは何か簡単に解説。重量との違いや単位の種類、換算方法も紹介
質量という言葉はものづくりに関わる業務の中でしばしば使われますが、それが正確には何を指しているのかを考える機会は、実のところあまり多くはないのではない... -