ベイズ最適化による材料探索の効率化・設計の高度化および目的達成への取り組み

★データが多くある場合のモデル化と材料開発戦略とデータが少ない場合の材料開発の戦略の違いを説明!

★産業界の立場で多目的ベイズ最適化の研究に従事する講師の視点から、複数の多目的ベイズ最適化手法の簡単な原理とその長所・短所について紹介!

★上記と合わせて、単目的ベイズ最適化の延長で簡易的に多目的ベイズ最適化を実現する方法や、講師の所属する昭和電工マテリアルズにおける最新の技術開発、活用事例についても紹介!

★製造業でのベイズ最適化の適用における課題と、その課題を解決するベイズ最適化の拡張手法について紹介!

★特に試行回数を削減したいという課題に関しては、ベイズ最適化と低次元化の組合せによるシミュレーションモデルのキャリブレーション効率化の技術を紹介!

セミナー趣旨

マテリアリズインフォマティクス(MI)はこれまでアカデミアが中心となって推進してきた分野であるが、学術研究のトレンドと各業界のニーズは必ずしも一致しないため、企業の実務に落とし込むには、各業界に最適なMIの活用方法を一から検討していく必要がある。講演者は企業研究者の立場で、ベイズ最適化を中心としたMI手法の開発や実用的な活用方法の検討に取り組んできた。本講演では企業におけるベイズ最適化活用の際に特に重要になる多目的問題について、企業研究者の立場から解説する。

セミナープログラム

第1部 ベイズ最適化による少ない実験回数による目的達成

【10:30-11:45】

奈良先端科学技術大学院大学 データ駆動型サイエンス創造センター センター長 特任教授  東京大学名誉教授 船津 公人 氏

【講演主旨】
マテリアルズインフォマティクスの展開は材料開発のやり方を変えている。しかしながら、そのためのデータが少ない場合は予測性の高い予測モデルを構築しそれによって材料開発の行うことはなかなか難しい。少ない実験回数で目的物性を満足する材料を開発したいと考えた時に役に立つ手法がベイズ最適化である。少ない実験データで予測モデルを構築し、どの実験を行えばよいかを提案する。これを繰り返すことで予測モデルが改善されると同時に目的物性を満足する候補材料提案につながっていく。

【キーワード】
実験計画、予測と予測値の分散、ガウス過程回帰

【講演ポイント】
データが多くある場合のモデル化と材料開発戦略とデータが少ない場合の材料開発の戦略の違いを理解できる。

【習得できる知識】
ベイズ最適化の意味と使い方

【プログラム】

  1. ベイズ最適化とは
  2. ガウス過程回帰
  3. 最適値の探索
  4. ベイズ最適化の特徴
  5. 適用事例

【質疑応答】


第2部 多目的ベイズ最適化による機能性材料設計

【12:45-14:00】

昭和電工マテリアルズ(株)  先端技術研究開発センタ 主任研究員 花岡 恭平 氏

【講演趣旨】
産業界における材料設計では、その用途に応じて、複数の目的変数の最適化が要求されることが多い。例えば100℃環境で10年間使用される材料であれば、軽量性や伸縮性等の材料機能に関する目的変数に加えて、100℃に耐える耐熱性と10年継続利用可能な耐久性が要求される。こうした最適化問題を効率的に解くことが期待される多目的ベイズ最適化であるが、現状はアカデミアを中心に限られた成功例が報告され始めている状態であり、産業界のどんな課題に、どのように使えばいいのか判断することは難しい。そこで本講座では産業界の立場で多目的ベイズ最適化の研究に従事する講師の視点から、複数の多目的ベイズ最適化手法の簡単な原理とその長所・短所について紹介する。合わせて、単目的ベイズ最適化の延長で簡易的に多目的ベイズ最適化を実現する方法や、講師の所属する昭和電工マテリアルズにおける最新の技術開発、活用事例についても紹介する。

【習得できる知識】
多目的ベイズ最適化の手法、実務で利用するためのヒント、企業のR&Dにおいてベイズ最適化を利用する際の注意点、一目的ベイズ最適化の延長で簡易的に多目的ベイズ最適化を実施する方法、多目的ベイズ最適化を用いた材料設計の最新事例。

【プログラム】

  1. 昭和電工マテリアルズにおけるマテリアルズインフォマティクスの取り組み概要
  2. 多目的ベイズ最適化入門
    1. ベイズ最適化の原理復習
    2. 多目的ベイズ最適化手法
  3. 多目的ベイズ最適化手法の長所・短所
    1. 多目的ベイズ最適化手法の比較方法
    2. 各手法の長所・短所
  4. 単目的ベイズ最適化ツールで簡易的に多目的ベイズ最適化を実現する方法
  5. 昭和電工マテリアルズにおける機能性材料開発のための多目的ベイズ最適化
    1. 機能性材料開発のための多目的ベイズ最適化手法開発
    2. 実務での有効性を確認するための性能検証
    3. 多目的ベイズ最適化を搭載したマテリアルズインフォマティクスプラットフォーム
  6. まとめ

【質疑応答】


第3部 ベイズ最適化と低次元化の組合せによるモノづくりにおける試行回数低減への取り組み

【14:15-15:15】

(株)東芝 研究開発センター  知能化システム研究所 システムAIラボラトリ- 研究主務 桐淵 大貴 氏

【講演主旨】
製造業でのベイズ最適化の適用における課題と、その課題を解決するベイズ最適化の拡張手法について紹介する。課題は大きく分けて2つ存在する。1つ目は試行回数を削減したいという課題であり、高次元の問題の場合や複雑な目的関数の場合に発生する。課題解決策として、低次元化やドメイン知識を用いたベイズ最適化手法を紹介する。2つ目の課題は適用範囲を拡大したいというもので、ロバスト性や制約に対応するベイズ最適化手法を紹介する。特に、1つ目の課題に関して、ベイズ最適化と低次元化の組合せによるシミュレーションモデルのキャリブレーション効率化の技術紹介を行う。

【キーワード】
ベイズ最適化、シミュレーション、次元削減、キャリブレーション

【講演ポイント】
ベイズ最適化を実際に適用する際の課題に対応する解決策のポイントを知ることができる。

【習得できる知識】
・適用におけるベイズ最適化の課題と、課題を解決するベイズ最適化の拡張手法
・製造業でのベイズ最適化の適用事例

【プログラム】

  • 製造業でのベイズ最適化の適用事例(材料の組成設計、風車配置設計等)
  • 適用におけるベイズ最適化の課題と、課題を解決するベイズ最適化の拡張手法
    • 課題1:試行回数削減に向けた低次元化とドメイン知識活用
    • 課題2:適用範囲拡大に向けたロバスト性への対応と制約への対応
  • 技術紹介:ベイズ最適化と低次元化の組合せによるシミュレーションモデルのキャリブレーション効率化(問題設定、提案手法、数値実験)

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 奈良先端科学技術大学院大学 データ駆動型サイエンス創造センター センター長 特任教授 東京大学名誉教授  船津 公人 氏

【経歴】
昭和53年3月 九州大学理学部化学科卒業
昭和55年3月 九州大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了
昭和58年3月 九州大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了 理学博士
昭和58年4月~昭和59年3月 九州大学理学部研究生
昭和59年3月 豊橋技術科学大学工学部物質工学系助手
昭和63年4月  同上 知識情報工学系助手
平成4年4月   同上 助教授
平成16年4月 東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻教授
平成23年 ストラスブール大学招聘教授
平成29年10月 奈良先端科学技術大学院大学・データ駆動型サイエンス塑像センター研究ディレクター 教授兼務
令和3年3月 東京大学定年退職 同名誉教授
令和3年4月 奈良先端科学技術大学院大学・データ駆動型サイエンス創造センター研究ディレクター 特任教授
令和4年4月~ 同上 センター長
現在に至る
【受賞】
1) 日本化学会・学術賞(2021年3月)
2) アメリカ化学会 2019Herman-Skolnik Award(2019年8年)
3) The Molecular Informatics Best Paper Award 2017 (2018年1月):受賞論文:Mol. Inf. 2017, 36, 1700030.
4) 化学工学会 SIS部会 技術賞 (2016年9月)
5) 日本コンピュータ化学会 学会賞 (2003年5月)
6) 日本化学会・Bulletin of Chemical Society of Japan (BCSJ)論文賞(2001年3月): 受賞論文:Bull. Chem. Soc. Jpn., 73, 1955-1965 (2000).
7) 日本科学技術情報センター 丹羽賞・学術賞(1988年4月)「化学研究における情報管理および設計支援システムの開発」
【著作】
1) 詳解マテリアルズインフォマティクス 近代科学社(2021年)
2) 実践マテリアルズインフォマティクス 近代科学社(2020年)
3) ソフトセンサー入門 ~基礎から実用的研究例まで~ コロナ社(2014)
その他多数

第2部 昭和電工マテリアルズ(株)  先端技術研究開発センタ 主任研究員 花岡 恭平 氏

第3部 (株)東芝 研究開発センター  知能化システム研究所 システムAIラボラトリ- 研究主務 桐淵 大貴 氏

【経歴】
2015年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻修士課程修了。同年(株)東芝入社。現在、研究開発センター研究主務。機械学習や数理最適化技術を用いた業務効率化の研究開発に従事。
【受賞】
電気学会研究会奨励賞

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。 


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