有機フッ素化合物(フッ素ポリマー等)の分解・再資源化技術

環境影響および資源問題で対応が求められるPFASの無害化・資源循環に向けて!様々な化学反応手法とその研究動向について解説!

セミナー趣旨

  炭素原子とフッ素原子から形成される有機フッ素化合物は耐熱性、耐薬品性、界面活性等の優れた性質を持ち、我々の生活に欠かすことのできない重要な化学物質である。その種類は低分子化合物から高分子化合物まで多岐にわたる。分子量が数百程度の化合物は界面活性剤や表面処理剤に、数万以上の化合物、すなわちフッ素ポリマーはパッキン等の汎用品はもちろんのこと、イオン交換膜、光ファイバー、レジスト等の先端材料として利用されている。
  このように高い機能性を持つ一方で、環境残留性や生体蓄積性、廃棄物の分解処理が困難といった負の側面が近年になって顕在化しつつあり、PFASに対する規制が各国で進行している。PFOA/PFOSについては規制の進行に伴い代替物質への転換が進んでいるが、代替物質も有機フッ素化合物である以上環境残留性は変わらず懸念され、環境リスク低減のためには有害性の度合いに応じて排出や廃棄物、さらには汚染地下水・土壌等の無害化を行う必要がある。しかし、これらは炭素・フッ素結合から成り立っているため極めて安定で従来の手法ではほとんど分解せず、分解の際には高温が必要であったり、出発物質よりもはるかに有害な化合物が発生する懸念がある等、様々な問題がある。
  また、フッ素ポリマーを含め全ての有機フッ素化合物の原料である高純度の蛍石(フッ化カルシウムの鉱物)は近年、入手難の状況が続いており、フッ素資源の資源循環が期待されている。フッ化物イオンまで分解できれば、カルシウムイオンとの反応でフッ化カルシウムに変換でき、フッ素資源の資源循環に寄与できる。
  本講演では、一般的な有機化合物の分解方法を概説した後、このような有機フッ素化合物を温和な条件で高効率にフッ化物イオンまで分解・無害化し再資源化する様々な化学反応手法とその研究動向について報告する。

受講対象・レベル

  フッ素ポリマーやフッ素系イオン液体、フッ素系表面処理剤等の先端有機フッ素材料を製造、加工プロセスや廃棄物処理等で取り扱っている企業(表面処理、電子材料製造、化学産業)関係者

習得できる知識

  一般的な有機化合物の分解方法に関する基礎知識、フッ素ポリマーやフッ素系イオン液体、フッ素テロマー界面活性剤等の先端有機フッ素化合物の分解方法や再資源化方法

セミナープログラム

1.有機化合物を分解するさまざまな方法
 1.1 紫外線照射 (UV)
 1.2 促進酸化法(AOP)
 1.3 フェントン反応
 1.4 ペルオキソ二硫酸イオン
 1.5 ペルフルオロ一硫酸イオン
 1.6 超音波照射
 1.7 亜臨界水・超臨界水
 1.8 メカノケミカル反応
2.有機フッ素化合物を温和な条件でフッ化物イオンまで分解・無害化するさまざまな化学反応手法
 2.1 ヘテロポリ酸光触媒
 2.2 ぺルオキソ二硫酸イオン+光照射
 2.3 鉄イオン光触媒
 2.4 鉄粉+亜臨界水
 2.5 ぺルオキソ二硫酸イオン+温水
 2.6 酸素ガス+亜臨界水
 2.7 ぺルオキソ二硫酸イオン+超音波照射
3.フッ素ポリマーの分解方法
 3.1 イオン交換膜(ペルフルオロスルホン酸ポリマー)の亜臨界水分解
 3.2 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、
         および関連するフッ素ポリマーの分解
  3.2.1 酸素ガス+超臨界水反応
  3.2.2 過酸化水素+亜臨界水反応
  3.2.3 過マンガン酸カリウム+亜臨界水反応
 3.3 反応液からの人工蛍石の合成
4.先端有機フッ素化合物の分解方法
 4.3 フッ素系イオン液体の亜臨界水分解
 4.4 フッ素テロマー界面活性剤の亜臨界水分解
5.有機ケイ素化合物の亜臨界水分解
<質疑応答>

セミナー講師

 堀 久男 先生   神奈川大学 理学部 教授 工学博士

■ご略歴:
慶應義塾大学大学院理工学研究科応用化学専攻後期博士課程修了(工学博士)。
その後、株式会社東芝 研究開発センター研究員、通商産業省工業技術院 資源環境技術総合研究所主任研究官、
マックス・プランク石炭科学研究所客員研究員(科学技術庁長期在外研究員併任)、
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門研究グループ長を経て、2010年4月から神奈川大学理学部教授、現在に至る
■ご専門および得意な分野・研究:
環境負荷物質の分解・無害化、リサイクル
産業界や我々の生活に必要である一方で、環境影響が懸念され、廃棄物の処理方法が十分に確立されていない
有機フッ素化合物や有機ケイ素化合物等について、分解・無害化、更には再資源化する方法の開発に取り組んでいる。
最近は希少金属であるレニウムのリサイクルにも取り組んでいる。
■本テーマ関連のご活動:
関連した著書:「フッ素化合物の分解と環境化学」共立出版 2017年
受賞歴:第15回化学・バイオつくば賞(2007年) 
リサイクル技術開発本多賞(第22回) (2017年)

セミナー受講料

1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

※本講座は、お手許のPCやタブレット等で受講できるオンラインセミナーです。

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  • 配布資料は、印刷物を郵送で送付致します。
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    それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
    テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
  • 当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
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  • 本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり、
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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

41,800円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   高分子・樹脂材料   環境負荷抑制技術

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13:00

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41,800円(税込)/人

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キーワード

化学反応・プロセス   高分子・樹脂材料   環境負荷抑制技術

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