軽量化とEV化による自動車構造・材料・接合技術の変化と実態【徹底解説】

セミナー趣旨

自動車の走行時CO2排出量削減策として、①車体軽量化と②EV化の推進が挙げられる。①の軽量化に有効な素材として、超高張力鋼板やアルミニウム合金、さらには繊維強化樹脂の採用の推進、さらなる適用拡大が期待されている。これらはいずれも難接合性素材であり、さらにそれらを組み合わせる異種材接合は獲得すべき重要な生産技術となる。既に欧米においては異種材接合技術の普及期に入って日が経つが、日本は出遅れている。一方、②についても欧米、中国が日本より先行している。EV車体に必要となる大型のバッテリー保護筐体は現在オールアルミ製が主流であるが、その構造と求められる性能、接合技術、さらに新たな提案技術について紹介する。

受講対象・レベル

・接合技術全般について初心者~中級者、あるいは鋼の溶接技術には習熟しているが、溶接以外には詳しくない方。特に異種材接合について知りたい方。
・材料として特にアルミに興味がある方。
・自動車車体や部品の生産技術、材料技術の業務に従事されている方。
・EV化が車体構造、部品に及ぼす影響、用いられる材料や接合技術について知りたい方。

習得できる知識

・構造用素材と各種接合技術(溶接、機械的締結、接着)の関係性、またそれらの長所だけでなく、短所についても重点的に理解することが出来ます。
・接合技術の全体感、実用化されている異種材接合法の種類とメカニズム。ロボットシステムの特徴。
・EVバッテリー保護部材の基本的構造と実例。
・異種材接合技術やEV用車体の日本、欧米、中国の実態と技術力比較。
・全体的に写真と動画を沢山用いて進行しますので、理解性に富みます。

セミナープログラム

1. 自動車の構造、材料に及ぼす環境変化
2. 車体軽量化、EV化、素材、CO2排出量の相関性
3. 接合法の分類
4. 代表的な溶接法
 4.1 抵抗スポット溶接法
 4.2 アーク溶接法
 4.3 レーザ溶接法
 4.4 摩擦攪拌接合法(Friction Stir Welding, FSW)
5. 軽量化とマルチマテリアル
 5.1 自動車の車体に用いられる素材の動向と、溶接性に及ぼす変化
  5.1.1 鉄鋼材料
  5.1.2 アルミニウム材料
  5.1.3 繊維強化樹脂材料
 5.2 異種材接合の一般的問題
 5.3 異種材接合法のメカニズム的分類
  5.3.1 異種金属接合可否
  5.3.2 異種金属接合のメカニズムと強度の関係
  5.3.3 主な異種金属接合法一覧
 5.4 異種材接合法の種類~(1)機械的接合法
  5.4.1 機械接合 両側アクセスと片側アクセス
  5.4.2 ボルト・ナット
  5.4.3 ブラインドリベット
  5.4.4 パンチリベット
  5.4.5 SPR
  5.4.6 メカニカルクリンチ
  5.4.7 FDS (Flow Drill Screw)
  5.4.8 ImpAcT (Impulse Accelerated Tacking)
  5.4.9 機械的接合法と超ハイテン鋼板の関係性
 5.5 異種材接合法の種類~(2)機械的接合+溶接法
  5.5.1 REW (Resistant Element Welding)
  5.5.2 改良REW
  5.5.3 FEW (Friction Element Welding)
  5.5.4 EASW (Element Arc Spot Welding)
  5.5.5 継手形状との関係性
 5.6 異種材接合法の種類~(3)直接接合法
  5.6.1 異種材FSW
  5.6.2 異種材FSSW(FSJ) 
  5.6.3 制御式抵抗スポット溶接法
  5.6.4 ブレージング(ろう付け)法
  5.6.5 爆着
  5.6.6 磁圧接
  5.6.7 摩擦圧接
 5.7 異種材接合法の種類~(4)接着
  5.7.1 接着剤の特徴
  5.7.2 構造用接着材の種類
  5.7.3 接着剤の強度、剛性向上効果の一例
  5.7.4 接着剤の施工能率
  5.7.5 接着性能に及ぼす素材の影響
  5.7.6 接着剤活用の課題
 5.8 異種材接合用ロボットシステム一覧
 5.9 各種異種材接合法の強度比較例:国家プロジェクト
 5.10 欧米中メーカーで実用化されている異種材接合法の実績
 5.11 電食対策
  5.11.1 異種材接合部の電食対策の基本
  5.11.2 隔てる; 接着材併用策
  5.11.3 覆う; シール剤
  5.11.4 皮膜処理
 5.12 既往の従来異種材接合法の課題
 5.13 開発中の異種材接合法の紹介
6. EV
 6.1 EVの基本的車体構造
 6.2 安全性確保の点からEVの構造に求められる機能
 6.3 バッテリーケースの構造
  6.3.1 トレイ型
  6.3.2 フレーム型
  6.3.3 実例(Tesla, Audi, Jaguar, Volks Wagen等)
 6.4 バッテリーケースの素材と接合技術(実用化済)
  6.4.1 鋼構造
  6.4.2 アルミ構造
 6.5 バッテリーケースの素材と接合技術(提案段階)
  6.5.1 鋼構造
  6.5.2 アルミ構造
  6.5.3 マルチマテリアル構造
7. 今後の展望

セミナー講師

鈴木 励一 氏
(株)神戸製鋼所 技術開発本部 ソリューション技術センター 研究首席 (接合技術)

略歴
・1992/4 (株)神戸製鋼所入社 溶接棒事業部 技術部配属
 以後、建築、自動車、造船、建設機械、車輌、火力・原子力発電などの各種産業向け溶接材料および
 溶接法の研究・開発に一貫して従事
・2015/2 博士号 学位(工学) 拝受
・2015/4 溶接事業部門 技術センター 専門部長
      兼 技術開発本部 機械研究所 マルチマテリアル構造接合研究室 専門部長
・2017/4 技術開発本部 自動車ソリューションセンター マルチマテリアル接合研究室 室長
      兼 溶接事業部門 技術センター 専門部長
・2022/4 技術開発本部 ソリューション技術センター 研究首席 兼 溶接事業部門 技術センター 専門部長

社外活動 (主査役、幹事役、委員、オブザーバ)
・(一社)日本溶接協会 溶接材料部会
・(一社)日本溶接材料工業会 技術委員会
・(一社)日本建築学会 材料部会
・(一社)日本鋼構造協会
・(一社)日本鉄鋼連盟
・AW検定協議会

セミナー受講料

51,000円 (Eメール案内登録価格:1名44,000円,2名51,000円,3名73,000円)
※資料付(印刷資料)
※Eメール案内を希望されない方は、「51,000円×ご参加人数」の受講料です。
※Eメール案内(無料)を希望される方は、通常1名様51,000円から
 ★1名で申込の場合、44,000円
 ★2名同時申込の場合は、2名様で51,000円(2人目無料)
 ★3名同時申込の場合は、3名様で73,000円
 ★4名以上同時申込の場合は、3名様受講料+3名様を超える人数×20,000円

※2名様以上の同時申込は同一法人内に限ります。
※2名様以上ご参加は人数分の参加申込が必要です。
 ご参加者のご連絡なく2名様以上のご参加はできません。

受講について

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
※ZoomをインストールすることなくWebブラウザ(Google Chrome推奨)での参加も可能です。
お申込からセミナー参加までの流れはこちらをご確認下さい。
キャンセル規定、中止の扱いについては下欄の「お申込み方法」を確認ください。

<禁止事項>
セミナー当日にZoomで共有・公開される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。

<配布資料>
本セミナーの資料はPDF形式(電子データ)で配布予定です。
ダウンロード形式またはe-mail添付にて開催日前日までにお送りいたします。
※お客様のネットワークセキュリティ環境により受取が出来ない場合は、セミナー開催後に郵送にて資料をお送りいたします。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

51,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

自動車技術   複合材料・界面技術   環境負荷抑制技術

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