アルミ電解コンデンサの開発・部材への要求と低ESR化・高耐電圧化・性能向上

昨今のエコエネルギーの課題を達成するには、アルミ電解コンデンサの性能の革新的向上が課題であり、その課題に対して次世代アルミ電解コンデンサの開発・実用化を目指して一つの方向性(耐熱性、耐電圧、安価な製造コスト他)が得られたことから、その概要を紹介!

コンデンサモデルと燃料噴射装置モデルについて解説し,電気・熱のマルチシミュレーションによってアルミ電解コンデンサに関わる多数の設計検証事項を一度に行えることを説明!

セミナープログラム

第1部 アルミ電解コンデンサの高機能化に向けた新規長鎖分岐二塩基酸の開発

 【10:30-11:45】

三重大学大学院 工学研究科 分子素材工学専攻 准教授 溝田 功 氏

【講演主旨】
アルミ電解コンデンサは、自動車、バイク、テレビ、パソコン、インバーター機器等のすべての電子機器の必須重要部品である。太陽光発電では20年保証が求められているが、律速機器は、パワーコンディショナー(アルミ電解コンデンサ)と言われており、アルミ電解コンデンサの高耐電圧化、耐熱性向上に向け、国内はもとより世界の電子部品メーカーがしのぎを削って開発を進めている。その中で、昨今のエコエネルギーの課題を達成するには、アルミ電解コンデンサの性能の革新的向上が喫緊の課題である。
今回、上記命題に対して、次世代アルミ電解コンデンサの開発・実用化を目指して一つの方向性(耐熱性、耐電圧、安価な製造コスト他)が得られたことから、その概要を紹介する。

【プログラム】

  1. アルミ電解コンデンサについて
  2. ひまし油由来の二塩基酸開発
  3. エーテル結合を導入した二塩基酸開発
  4. 環状構造含有二塩基酸の開発
  5. その他の二塩基酸開発
  6. 終わりに

【質疑応答】


第2部 アルミ電解コンデンサの電気・熱マルチドメインモデルについて

【12:45-14:00】

ルビコン(株) 技術本部 設計部 副主幹設計員 向山 大索 氏

【講演主旨】
昨今,モデルベース開発(MBD)が注目され導入が進んでいる。MBDを具現化するには,その目的(設計検証)にあった詳細度の部品モデルが必要となる。そのような背景から,アルミ電解コンデンサの電気・熱のマルチドメインモデルの検討を行い,簡易的な燃料噴射装置へ実装しシミュレーションを行った。本講演では,そのコンデンサモデルと燃料噴射装置モデルについて解説し,電気・熱のマルチシミュレーションによってアルミ電解コンデンサに関わる多数の設計検証事項を一度に行えることを説明する。

【キーワード】
アルミ電解コンデンサ,寿命推定,アルミ電解コンデンサのインピーダンス特性,アルミ電解コンデンサのマルチドメインモデル,燃料噴射装置

【講演ポイント】
アルミ電解コンデンサの電気的モデルと熱モデル(1D)の概要が理解できます。また,それらをマルチ化したマルチドメインモデル化することで,機器設計時に必要となる各種検証(コールドスタート,発熱量,コンデンサ寿命など)が一気にシミュレーションできることを紹介します。

【習得できる知識】
・アルミ電解コンデンサのインピーダンス特性について理解できます。
・アルミ電解コンデンサの電気的モデルの考え方が習得できます。
・アルミ電解コンデンサの最も簡単な過渡熱モデルを紹介します。
・アルミ電解コンデンサの電気・熱のマルチドメインモデルによる設計検証上のメリットを実感できます。

【プログラム】

  1. アルミ電解コンデンサのマルチドメインモデルについて
    1. インピーダンスモデル(LCRモデルと詳細モデル)
    2. 熱モデル
    3. 寿命計算モデル
  2. 燃料噴射装置のモデル化について
  3. 燃料噴射装置システムシミュレーションへの実装とその評価結果
    1. 発熱量と上昇温度推定
    2. 寿命消費率計算
    3. 低温サージの比較(LCRモデル/詳細モデル)
  4. 今後の課題について

【質疑応答】


第3部 車載電子部品・コンデンサーに求められる特性と実装技術・信頼性

【14:15-15:30】

(株)デンソー 電子PFハードウェア開発部 神谷 有弘 氏

【講演主旨】
車両の電動化をはじめ、自動運転技術の開発が進んでいます。いずれも車両の電子化の進展であり、そこには多くの電子部品が使用されています。本講座ではコンデンサー(キャパシター)に注目して、その特性を理解することを目指します。そのうえで、車両の燃費(電費)向上のために、各電子制御製品は小型軽量化を求められています。そこで、特にセラミックコンデンサーとAl電解コンデンサーに焦点を当てて小型化について考えます。また、Al電解コンデンサーでは信頼性を確保するためのポイントについても解説いたします。

【キーワード】
車載電子製品、コンデンサー、小型化、信頼性

【講演ポイント】
車載電子製品に使われるコンデンサーは、フィルム、タンタル電解、アルミ電解、セラミックコンデンサーと様々でした。最近では、電子製品の小型軽量化の流れで、セラミック、Al電解コンデンサーが中心に使われます。インバータでは、フィルもコンデンサーも重要な部品です。これらの各コンデンサーの特徴を理解して、車載電子製品に使われるコンデンサーに対する知見を深めていただけれは幸いです。

【習得できる知識】
車載用電子製品に使われるコンデンサー(キャパシター)の特性を把握し、それらを使用する上での注意点について理解を深める。

【プログラム】

  1. 車載電子製品は何のために存在するのか
    1. クルマ社会を取り巻く課題
    2. 環境とエネルギー問題への対応
    3. 安全(自動運転技術)
    4. 電子プラットフォーム設計
  2. CASE時代の車載電子製品への要求
    1. 小型軽量化が求められる背景
    2. 車載電子製品の小型化動向
    3. 信頼性の重要性
  3. 車載電子製品の小型実装技術
    1. 実装技術とは
    2. センサの小型化
    3. ECU製品の小型化設計
  4. コンデンサーの基本と特徴
    1. コンデンサーの種類・特徴
    2. コンデンサーの構造・特性
    3. 各コンデンサーの比較
    4. 各Al電解コンデンサーの特徴
  5. 部品小型化の検討
    1. セラミックコンデンサーのサイズ動向
    2. セラミックコンデンサーを使った小型化検討(事例)
    3. ハイブリッドAl電解コンデンサーによるECU小型化
  6. パワーエレクトロニクスに使われるAl電解コンデンサー
    1. チョッパ回路
    2. インジェクタ―駆動回路例
    3. (ハイブリッド)導電性高分子コンデンサーについて
    4. インバータに使われるコンデンサー
  7. 製品事例から見る注意点
    1. 振動に対する対策
    2. 複合条件での評価
    3. 樹脂封止に対する対応
    4. 四級塩問題
  8. 将来動向
    1. 製品小型化長寿命化のための樹脂封止技術
    2. 車両電動化におけるインバータの動向
    3. 車載電子製品開発の進め方

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 三重大学大学院 工学研究科 分子素材工学専攻 准教授 溝田 功 氏
【経歴】
現在に至る
2019年
ドイツWestfalisch Wilhelms-Universitatにて客員研究員(Armido Studer’s Group)
2019年
三重大学大学院工学研究科 分子素材工学専攻 准教授
2012年
三重大学大学院工学研究科 分子素材工学専攻 助教
2011年
三重大学大学院工学研究科 学術研究員
2011年
三重大学大学院工学研究科 材料科学専攻 博士後期課程修了
2008年
三重大学大学院工学研究科 分子素材工学専攻 博士前期課程修了
2006年
三重大学工学部 分子素材工学科卒業

第2部 ルビコン(株) 技術本部 設計部 副主幹設計員 向山 大索 氏
【経歴】
1996年3月 東京理科大学大学院理工学研究科物理学専攻修了
1998年12月 ルビコン株式会社入社(現在も勤務)
2021年3月 名古屋大学大学院工学研究科博士後期課程(電気工学)修了
2021年7月より,名古屋大学 未来・材料研究所 客員准教授に就く。
【著作】
下記書籍で,アルミ電解コンデンサ・フィルムコンデンサについての解説を書かせて頂きました。
・「エンジニアの悩みを解決・パワーエレクトロニクス」高木茂行(共著)コロナ社
・「次世代パワーエレクトロニクスの課題と評価技術」岩室憲幸(監修)S&T出版

第3部 (株)デンソー 電子PFハードウェア開発部 神谷 有弘 氏
【著作】「実装技術の教科書」、日経BP社、2021

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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開催場所

全国

主催者

キーワード

自動車技術   電子デバイス・部品   電気化学

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