光硬化技術の原理と実際をきちんと理解できるセミナー!

光硬化型材料の設計、評価法、各種トラブルの原因と対策等!


講師


東亞合成株式会社 R&D総合センター 専門主幹 博士 佐々木 裕 先生


受講料


1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき35,640円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。


セミナーポイント


■ セミナー趣旨
1.光硬化技術とは

 光硬化技術は、コーティング、インキ、フォトレジスト等の主として表面加工技術として広く利用されてきている。また、近年、接着等の応用において光の照射が及ばない領域での硬化も併用できるような技術が確立されつつある。このような流れを受けて、エレクトロニクスや自動車関連等の部材などの幅広い領域での応用が展開されてきている。、
 この技術は、省スペースでの高速硬化が可能であるため熱硬化に比べて経済的であり、また、溶剤の不使用あるいは大幅な低減ができるので環境保全の立場からもますます重要になってきている。また、室温硬化が可能であるため、熱に弱い機材にも適応可能である。ただし、実用化に当たっては、その硬化機構を理解しておかないと各種のトラブルが発生する場合も多い。

2.理解の困難さ?
 この技術は、各種の要素技術の組み合わせからなっているため、その内容が多岐にわたり、一見複雑に見えるかもしれない。そのため、この分野に興味を持たれた初心者の方たちの中には、習得するのが大変そうだなと思われている方も多いのかもしれない。
 しかし、個々の要素技術の基本をイメージとして捉えて全体像をザックリと捕まえることができれば、理解は一気に容易になる。

3.本講座の進め方
 本講座では、液体が固体と変化するという光硬化の過程について、全体を俯瞰できるように概念的な説明を行い、全体像を捉えられるように配慮して説明を行う。続いて、硬化技術の実際に即した形で、各段階における評価に必要となる上で、それぞれの要素技術についての具体的内容についての解説を行い、個別の事案への理解を深める。さらに、これまでの講習で出てきた「よくある質問」や演者がこれまでに経験してきた「役に立つTips」等の具体的な事例についても説明を行う。
 なお、これらの説明においては、できるだけ多様な切り口からの説明を行い、直感的なイメージとして理解できることを目指す。

■ 対象となる方々
・光硬化型材料を設計したい方(化学系メーカーの技術者、研究者)
・光硬化プロセスにかかわる方(光源等の光硬化関連機器メーカーの技術者)
・光硬化技術を利用しようとしている方(各種ユーザー)
・知識としてこの技術を理解しようとしている方(上記以外の方々:例えば、営業の方)

■ 必要となる知識
・できるだけ、図解でのイメージとしての理解を狙うので、特定の基礎知識は必要ない。
・化学構造式のようなものも少しは取り扱うため、化学に対するアレルギーが少ないことが
 望ましいが、羅列とならないように配慮する。

■ 得られる知見
1)光硬化技術の原理の理解
  ・液状樹脂が固まるということ
  ・濡れと接着(密着)
  ・光反応について
2)光硬化技術の実際的な具体例
  ・液状硬化型材料の設計のポイント
  ・硬化過程の評価法
  ・硬化物の評価について
  ・光源の特徴と選択法
3)各種トラブルの原因理解とその対策
  ・硬化不良対策
  ・密着不良対策
  ・耐候性向上
  ・硬化物の黄変対策

キーワード
 (全体)光硬化、光源の選択、硬化収縮、応力集中、硬化不良、酸素硬化阻害、密着不良
 (材料設計)液体の流動、濡れ、密着、ハイパーブランチポリマー
 (硬化関連)ネットワーク形成、粘弾性、ガラス転移、パーコレーション、
  ラジカル硬化、カチオン硬化、アニオン硬化、タンデム硬化、チオール‐エン硬化


セミナー内容


1.はじめに

2.光硬化技術の概念的な理解
 2.1 光硬化とは
 2.2 液状樹脂が固まるということ
  (1)液体と固体
   ・流れるということ
   ・流れない状態にもいろいろある
   ・密度の違い
  (2)重合方法の理解
   ・鎖のつながり方にも色々ある
   ・活性種の違い
   ・重合阻害因子
  (3)ネットワークの形成
   ・三次元的なつながりとは
   ・ネットワークのつなぎ方
 2.3 濡れと接着(密着)
  (1)濡れるということ
   ・界面での取り合い
   ・ヤングの式
  (2)濡れから接着へ
   ・液体
   ・固体
  (3)熱力学的な接着の意味
   ・デュプレの接着仕事
   ・自由エネルギーとして
 2.4 光反応
  (1)光分解のイメージ
   ・どうやって分子が壊れるか
  (2)クロモフォアとは
   ・光の吸収
   ・色とは
  (3)光の透過
   ・ランバート・ベール則
 2.5 光の発生
  (1)光と熱
   ・発光時の熱の発生
   ・熱の少ない方法
  (2)光の波長
   ・エネルギー
   ・浸透力

3.硬化型材料の評価
 3.1 硬化特性の評価
  (1)モノマーの消費をモニター
   ・RT(リアルタイム)-FTIRによるモノマーの消失
   ・Photo-DSC(光熱分析法)による重合熱の測定
  (2)硬化物の生成を追跡
   ・レオメーターによる粘弾性変化
   ・蛍光を利用する硬化過程の追跡法
 3.2 硬化物物性の評価
  (1)力学特性
   ・引張試験でのバルクの力学特性
   ・微小硬度計でのミクロな特性
   ・粘弾性特性
  (2)光学的特性
   ・透明性
   ・屈折率

4.要素技術についての各論
 4.1 光硬化型材料(構成要素)
  (1)光硬化型材料の構成
  (2)硬化(光照射)装置
 4.2 光開始重合
  (1)ラジカル重合 
  (2)イオン重合
 4.3 反応性樹脂
  (1)ラジカル重合型材料 
   ・ジカル重合型材料の特徴
    硬化収縮、酸素による硬化阻害、皮膚刺激性、密着性
  (2)カチオン重合型材料
   ・カチオン重合型材料の特徴
 4.4 光照射装置
 4.5 硬化プロセスの各論

5.UV硬化技術を有効に利用するためのTips
 5.1 硬化性を支配する因子
  (1)酸素による重合阻害の回避
  (2)光照射の注意点
   ・波長のマッチング
   ・有効な光の利用
   ・レドックス反応
 5.2 硬化収縮とは
   ・重合様式の影響
   ・残留応力
 5.2 タンデム硬化(異なる硬化法の組み合わせ)
  (1)同一の活性種
   ・熱との組み合わせ
   ・湿気との組み合わせ
   ・光があたらないところの硬化
  (2)異なる活性種のハイブリッド硬化
   ・ラジカルとイオン
   ・連鎖重合と重付加
 5.3 内部構造の形成
  (1)相分離
  (2)ウレタンアクリレートの場合

6.よくあるQ&A
 ・光硬化型樹脂の構成と硬化機構について教えてください。
 ・設計の際、どのようなモノマー・オリゴマーを選択するのか?
 ・重合様式(ラジカルとカチオン)の違いと、そのメリット・デメリットは?
 ・ラジカル重合型材料の酸素による重合阻害の回避方法は?
 ・カチオン重合について詳しく教えてください。
 ・硬化性の遅速(分子骨格の違いによる)は、どのように決定されるのか?
 ・硬化収縮は抑えることができるのか?
 ・相溶性について簡単に教えてください。
 ・硬化物物性を考えるのに、粘弾性測定が有用と聞いたのですが
  基礎的なことを教えてください。
 ・アクリレートの硬化物の硬度を変える一般的な方法をご教示ください。
 
 <質疑応答>


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

46,440円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

東京都

MAP

【大田区】大田区産業プラザ(PiO)

【京急】京急蒲田駅

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料

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