Hansen溶解性パラメータ(HSP値)およびHansen溶解球の基礎と応用技術

−HSPiPプログラムの材料開発への応用−


★HSP値とSP値と溶解性パラメータを、わかりやすく解説!
★高分子-高分子、炭素材料の相溶性評価とは?
★微粒子・ナノ粒子の凝集・分散性評価とは?
★固体・液体・気体の各種溶媒への溶解性評価?


講師


関西大学 環境都市工学部 教授 工学博士 山本 秀樹 先生

【講師紹介】SP値、HSP値研究における日本の第一人者。


受講料


1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき35,640円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。


セミナーポイント


■講座のポイント
 J.H.Hildebrandが正則溶液理論の研究において定義した溶解度パラメータ(Solubility Parameter:δ[J/cm3]1/2)は、物質(気体・液体・固体)の凝集エネルギー密度の平方根で示される物質固有の物性値であり、SP値として一般に知られています。現在でも、SP値は、物質-物質間の溶解度、ぬれ性、接着性、溶媒中微粒子の分散性の評価に多用されています。
 C.M.Hansenは、Hildebrand が提案したSP値の凝集エネルギーの項を、それぞれの物質の分子間に働く相互作用エネルギーの種類によって分割し、SP値を、分散力項(δd)双極子間力項(δp)、水素結合力項(δh)として表し、Hansen溶解度パラメータ(以下:HSP値)として提案しました。
 現在、HSP値は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子の溶媒中での凝集・分散性評価、樹脂の溶媒に対する耐性評価など広く用いられています。また、HSP値は、化学製品の製造工程において、溶質に対する最適溶媒の選択や混合溶媒の最適な組み合わせの選定、さらに、最適混合比などにも有効であることが報告されています。近年、Hansenの研究グループは、分子構造が未知である高分子やフラーレン、カーボンブラック、TiO2などの微粒子表面のHSP値を実験的に求める新しい手法として、Hansen solubility sphere法(以下Hansen球法)を提案しており、その汎用性の高さから現在多くの研究者から注目されております。
 今回は、SP値の基礎としてHildebrand(δ)およびHansen(δd,δp,δh)溶解度パラメータの計算方法およびHSP値を用いた物質-物質間の溶解性、ぬれ性、溶媒中の微粒子の分散性評価の方法について基礎的な概念を紹介します。
 さらに、分子構造や組成が明らかでないアスファルテンのHSP値をHnasen球法により求めたのでその結果について解説いたします。

■受講後、習得できること
・Hansen溶解性パラメータの基礎と応用
・HSPiPプログラムの応用
・Hansen溶解球法の基礎と応用
・高分子-高分子の相溶性評価
・微粒子・ナノ粒子の凝集・分散性評価
・炭素材料(フラーレン、カーボンブラック、グラフェン等)の相溶性の評価
・固体・液体・気体の各種溶媒への溶解性評価


セミナー内容


はじめに
 ○“Hildebrand溶解性パラメータについて(原著より)”
 ○正則溶液理論から導かれた溶解性パラメータの意味
 ○物性値としての溶解性パラメータの価値
 ○一般的な物質(気体・液体・固体)の溶解性パラメータの総論
 ○HildebrandおよびHansen溶解性パラメータの相互関係

1.溶解平衡の基礎知識
 1.1 物質の溶解現象と溶解度
 1.2 液体の種類と特性
 1.3 溶解度に関係した溶液モデルの種類
 1.4 溶解度に寄与する因子

2.溶解性パラメータの推算に利用できる液体の一般通性
 2.1 溶解度
 2.2 蒸気圧
 2.3 臨界定数(臨界温度、臨界圧力、臨界体積)
 2.3 密度、沸点、融点、表面張力、屈折率

3.溶解度の測定法および測定装置
 3.1 溶解度測定に影響を与える因子
 3.2 気体の溶解度と測定装置と測定方法
 3.3 液体の溶解度と測定装置と測定方法
 3.4 固体の溶解度と測定装置と測定方法

4.溶解性パラメータ(SP値)の基礎と応用
 4.1 Hildebrandの溶解性パラメータ(SP値)の定義
 4.2 Hildebrandの溶解性パラメータの計算方法
 4.3 Hildebrand溶解性パラメータによる溶解性評価の基礎

5.Hildebrand溶解性パラメータの種々物性からの計算方法
 5.1 蒸発熱からのSP値の計算方法
 5.2 Hildebrand RuleによるSP値の計算方法
 5.3 表面張力からのSP値の計算方法
 5.4 屈折率からのSP値の計算方法
 5.5 溶解度からのSP値の計算方法
 5.6 HLB値からのSP値の計算方法

6.溶解性パラメータ(SP値・HSP値)の分子グループ寄与法による計算
 6.1 Hildebrand(SP値)
 6.2 Smallの計算方法
 6.3 Rheineck & Linの計算方法
 6.4 Kreveren & Hoftyzerの計算方法
 6.5 Fedors の計算方法
 6.6 Hansenの計算方法
 6.7 Hoyの計算方法
 6.9 Stefanis & Panayiotou法(S&P法)

7.溶解性パラメータのプログラムによる計算演習
 7.1 液体および液体のSP値のプログラムによる計算例
 7.2 分子構造からのSP値のプログラムによる計算例
 7.3 SP値計算プログラムの紹介(Fedors,Hansen,Hoy法)

8.多成分系混合溶媒の溶解性パラメータの計算方法
 8.1 2成分溶液の溶解性パラメータの計算方法
 8.2 多成分溶液の溶解性パラメータの計算方法
 8.3 多成分溶液の溶解性パラメータの実測方法
 8.4 溶解性パラメータを用いた最適混合比の考え方

9.溶解性パラメータの温度依存性
 9.1 Hildebrand溶解性パラメータの温度依存性の計算
 9.2 Hansen溶解性パラメータの温度依存性
 9.3 溶解性パラメータの温度依存性の一般的な性質
 9.4 Hansen溶解球の温度依存性に対する考察

10.Hansen溶解性パラメータ(SP値)を用いた溶解性の評価法
 10.1 Hansenの溶解度パラメータの評価法
 10.2 SP値の三角線図による評価
 10.3 SP値の3Dプロットによる評価
 10.4 溶解度パラメータを用いた溶解性の評価(HildebrandとHansenのSP値の比較)

11.イオン性溶液の溶解度パラメータ
 11.1 イオン性溶液の溶解性パラメータの考え方
 11.2 イオン性液体の溶解性パラメータ計算方法
 11.3 イオン性溶液の溶解性パラメータによる溶解性評価

12.Hanse球法(HSPiP法)による物質の溶解性パラメータの測定評価
 12.1 Hansen Solubility Sphere Methodの原理
 12.2 Hansen球法の試験方法
 12.3 Hansen球法のプログラム
 12.4 微粉体、ナノ粒子のHansen SP値の測定
 12.5 HSPiPプログラムの応用

13.溶解度パラメータ(HSP値)の用途の実例
 13.1 各種溶媒に対する樹脂の耐性評価
 13.2 溶質に対する良溶媒の設計(純溶媒・混合溶媒)
 13.3 微粒子の凝集・分散、酸化物微粒子の分散性評価
 13.4 医薬品・化粧品のHansen溶解性パラメーの測定
 13.5 Hildebrand溶解性パラメータの応用と限界
 13.6 Hansen溶解性パラメータの応用と将来展望
 13.7 HSP値が将来期待されている分野

おわりに(まとめ)
 ○現場における溶解性評価の高度化・迅速化に対するSP値の価値
 ○溶ける、溶けないを見極める意味
 ○溶解に係る新規材料開発の方向性

<質疑応答>


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開催日時


10:30

受講料

46,440円(税込)/人

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開催場所

東京都

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【品川区】きゅりあん

【JR・東急・りんかい線】大井町駅

主催者

キーワード

化学技術   高分子・樹脂技術

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