抗菌・抗ウイルス性能の材料表面への設計技術

材料表面での増殖抑制、殺菌・不活化、付着防止の仕組は?
真空蒸着、コーティング、バイオミメティクス、、、
様々な抗菌・抗ウイルス性付与、設計技術を詳解!

セミナープログラム

<10:15〜11:15>

1.抗菌、抗ウイルス、抗バイオフィルムのための表面処理とその対策動向

日本工業大学 基幹工学部 応用化学科 教授 博士(工学) 伴 雅人 氏  

【講座概要】
 本講義では、モノを介した感染を抑える技術となる、そのモノ自体に抗菌・抗ウィルス機能を付与できる表面処理に関して、材料設計を行うための指針とそのメカニズムについて基礎から解説します。また、この理解に必要となる、細菌やウィルスの構造とその感染のしくみから、それらの増殖をどのような方法で防げば良いのか、について説明します。さらに、最近の抗菌性・抗ウィルス性表面処理に関し、トピックとなる技術や研究について紹介します。

1.ヒト-モノ-ヒト感染における「モノ」の表面の重要性
2.細菌・ウイルスの材料表面での様態
3.抗菌・抗ウイルスのための材料表面設計
 3.1 どのように増殖を抑えるのか
 3.2 材料表面を設計するための指針
 3.3 「殺菌・不活化」のしくみ
  3.3.1 活性酸素
  3.3.2 金属イオン
 3.4 「付着防止」のしくみ
  3.4.1 表面形態
  3.4.2 タンパク質吸着抑制
  3.4.3 表面特性(疎水/親水・電荷)の影響
4.さまざまな表面処理技術・研究
 4.1 細菌の増殖抑制のための表面処理
 4.2 ウイルスの不活化のための表面処理
 4.3 最近の研究の方向性から
  4.3.1 バイオミミクリー(ナノ構造の利用)
  4.3.2 ナノカーボン材料の利用
  4.3.3 抗菌と生体適合性の両立
5.まとめと今後の課題
【質疑応答】


<11:25〜12:25>

2.真空蒸着による基材表面の抗菌化処理

稀産金属(株) 生産技術開発部 課長代理 猪俣 崇 氏  

【講演概要】
 自社製品の抗菌・抗ウイルス処理をどのような方法で行うかを検討しているメーカー様に対しては、真空蒸着法での抗菌薄膜処理という新たな選択肢をご提供できます。また、既に光学薄膜や機能性薄膜を真空蒸着でコーティングを行っているメーカー様には、新しい機能として抗菌・抗ウイルス薄膜を作製できる蒸着材料の使用方法・特性についての知識をご紹介できると考えております。

1.真空蒸着とは?
 1.1 真空蒸着法の原理
 1.2 利点、利用分野
 1.3 蒸着材料として使用される物質
2.真空蒸着で成膜できる抗菌・抗ウイルス材料
 2.1 市販の抗菌・抗ウイルス材料の蒸着材料化
 2.2 抗菌材料を真空蒸着で薄膜化する際の問題点と改善方法
3.真空蒸着で作製した抗菌薄膜の各種特性
 3.1 光学特性と機械的特性
 3.2 抗菌力、防カビ、抗ウイルス性
4.薄膜中に含まれるAgの定量と分散状態の確認
 4.1 エネルギー分散型蛍光X線分析装置による分析
 4.2 全反射蛍光X線分析装置による分析
 4.3 X線光電子分光分析装置による分析
5.真空蒸着で作製する抗菌・抗ウイルス薄膜の課題
 5.1 光学特性の確保
 5.2 眼鏡レンズ、タッチパネルへの適用
【質疑応答】


<13:10〜14:10>

3.光触媒を利用した抗菌・抗ウイルス性コーティング剤の開発

信越化学工業(株) 塩ビ・高分子材料研究所 開発部 主任研究員 井上 友博 氏

【講座概要】
 本講義では、衛生面で近年注目されている光触媒を用いた抗菌・抗ウイルス技術について、光触媒を“使う側”の目線も踏まえつつ、分かりやすく解説します。 光触媒がどのようなもので、どうやって使うものなのか、という基礎的なところからスタートし、実際のコーティング液製品化における工学的なアプローチ方法や施工現場での課題とその解決例に至るまで、豊富な図・具体的な例を交えて解説します。理論・実用の両側面で、総合的な学びの機会にいたします。

1.光触媒とは
 1.1 身近にある光触媒の技術
 1.2 光触媒の歴史、市場
2.光触媒の材料・原理・製品化
 2.1 光触媒反応の仕組み
 2.2 光触媒に用いられる材料
 2.3 酸化チタンの性質
 2.4 可視光応答型光触媒
3.光触媒と抗菌・抗ウイルス
 3.1 細菌とウイルス
 3.2 抗菌・抗ウイルスとは
 3.3 実証試験例
4.光触媒製品の実用例
 4.1 光触媒コーティング液の塗布・施工
 4.2 実施工例
【質疑応答】


<14:20〜15:05>

4.昆虫の羽構造のバイオミメティックスに基づく新しい抗菌・抗ウイルス技術

(株)KRI フェロ&ピコシステム研究部 上級研究員 吉川 弥 氏

【講座概要】
 昆虫の羽にはナノオーダーの微細突起構造を有し、この構造によって昆虫の羽は菌やカビから守られており、その原理は鋭利なナノ構造による物理的なダメージで対象を不活化するという大変ユニークな方法に基づく事が発見されました。
 株式会社KRIは、この昆虫の羽のナノ構造を人工的に再現したバイオミメティクスナノ構造形成プロセスによって、身の回りにある様々な構造体の表面に抗菌、防カビ、抗ウイルス機能を付与する技術を開発しました。
 本講座では、物理的殺菌能という新しいアプローチに基づく機能を発揮するバイオミメティクスナノ構造の特徴、形成プロセス、ナノ構造の形成事例、菌、カビ、ウイルスに対する不活化効果等の基本的な特性をご紹介し、更に本技術の特徴を活かした好適なアプリケーションイメージ、及び実用化事例についてご紹介いたします。

1.会社紹介:KRIについて
2.自己紹介、本研究の開発に至った背景
3.技術背景:衛生保持技術ニーズの高まり
4.既存衛生保持技術と課題定義
5.新しい概念に基づく殺菌効果の発見
 5.1 昆虫の羽表面の微細突起ナノ構造による物理的なダメージに起因した殺菌効果、防カビ効果
 5.2 昆虫の羽構造を人工的に模倣したバイオミメティックスナノ構造による物理的殺菌効果の実証
6.ブラックシリコン:構造例、作製方法、実用化における課題点
7.物理的殺菌能を有するバイオミメティクスナノ構造の実用化にむけて
8.開発した2つのナノ構造形成プロセス
 8.1 ナノ構造成長法:プロセス概要、ナノ構造形成事例
 8.2 ナノスパイク粒子塗布法:プロセス概要、ナノスパイク粒子塗布事例
9.バイオミメティックスナノ構造の有効性評価事例
 9.1 抗菌性能
 9.2 カビ抑制性能
 9.3 抗ウイルス性能
10.アプリケーションイメージ
 10.1 ナノ構造成長法
 10.2 ナノスパイク粒子塗布法
11.実用化事例
12.今後の研究展望
13.KRI委託研究のご紹介
【質疑応答】


<15:15〜16:15>

5.抗菌・抗ウイルス性能の評価試験方法と評価技術

(一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC) 神戸試験センター 微生物ラボ 工学博士 射本 康夫 氏

【講座概要】
 抗菌・抗ウイルス性試験方法と各種評価技術について紹介する。

1.抗微生物加工製品の性能評価方法
 1.1 微生物の特徴
 1.2 微生物試験方法の規格
2.微生物試験について
 2.1 細菌を用いた試験
   2.1.1 細菌について
   2.1.2 抗菌性試験(JIS L 1902、JIS Z 2801)
   2.1.3 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSEK抗菌加工マーク認証
   2.1.4 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSIAA抗菌加工マーク認証
 2.2 ウイルスを用いた試験
   2.2.1 ウイルスについて
   2.2.2 抗ウイルス性試験(JIS L 1922(ISO18184)、ISO21702)
   2.2.3 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSEK抗ウイルス加工マーク認証
   2.2.4 一般社団法人繊維評価技術協議会によるSIAA抗ウイルス加工マーク認証
【質疑応答】


キーワード:抗菌、抗ウイルス、表面、セミナー

セミナー講師

1. 日本工業大学 基幹工学部 応用化学科 教授 博士(工学) 伴 雅人 氏
2. 稀産金属(株) 生産技術開発部 課長代理 猪俣 崇 氏
3. 信越化学工業(株) 塩ビ・高分子材料研究所 開発部 主任研究員 井上 友博 氏
4. (株)KRI フェロ&ピコシステム研究部 上級研究員 吉川 弥 氏
5. (一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC) 神戸試験センター 微生物ラボ 工学博士 射本 康夫 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕

受講について

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10:15

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66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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全国

主催者

キーワード

化学技術一般   化学反応・プロセス   バイオ技術

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