プラスチック成形品の変形・破壊メカニズムと高強度・長寿命化技術

高分子の応力のメカニズムと強いプラスチックの設計法!


講師


山形大学 名誉教授 博士(工学) 石川 優 先生


受講料


1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき35,640円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。


セミナーポイント


 プラスチックの破壊は、応力集中の大きさが高分子の凝集構造をせん断変形することによって壊すフィブリル強度、あるいは体積変形によって壊すクレイズ強度の何れかの臨界応力に達すると始まる。
 応力集中の大きさは体積弾性率に強く影響されるが、ポリマーアロイのように微細なボイドの形成により体積弾性率を低く調整すると応力集中は緩和され、プラスチックのタフ化が可能であることを解説する。

■この講座を受講して得られる情報・知見:
・高分子材料の破壊機構の基礎的な理解
・高分子材料の破壊機構を基礎とした製品形状、高分子の微細構造そしてひずみの拘束の解放による高強度・長寿命化技術


セミナー内容


はじめに

1.固体高分子材料の変形
 1.1固体高分子の構造と変形
 1.2固体の変形の基礎
  1.2.1せん断変形が支配的な変形
  1.2.2 体積変形が支配的な変形
  1.2.3 ひずみの拘束による応力集中の機構

2.高分子材料の延性的破壊(せん断変形支配)
 2.1 結晶性高分子材料の塑性変形
 2.2 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
 2.3 高分子材料のソフトニングとネッキング
 2.4 配向硬化
 2.5 延性破壊
  2.5.1 熱可塑性高分子の延性破壊               
  2.5.2 熱硬化性高分子の破壊
 2.6 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
 2.7 クリープ負荷での塑性変形

3.高分子材料のぜい性的破壊(体積変型支配)
 3.1 ボイドの形成とその不安定拡張
 3.2 切り欠きの拘束によるボイドの不安定拡張
 3.3 ひずみの拘束による高分子材料のぜい性破壊
  3.3.1 非晶性ガラス状高分子のぜい性的破壊
  3.3.2 結晶性高分子のぜい性的な破壊 
 3.4 変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
 3.5 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
 3.6 アルミニュウム合金の破壊との比較
 3.7 高分子材料の破壊条件と破壊力学

4.デサインの調整によるタフニング 
 4.1構造体のひずみの拘束と変形の安定性
 4.2非晶性ガラス状高分子(ポリカーボネィト(PC))の強度設計

  4.2.1 PCの真応力-ひずみ曲線の推定
  4.2.2 PC構造体の破壊条件の推定
  4.2.3 種々の境界条件でのPC構造体のタフネスの予測
   4.2.3.1切り欠き先端半径の効果
   4.2.3.2リガメントの厚さの効果
   4.2.3.3試験片の幅の効果
 4.3 結晶性高分子(ポリオキシメチレン(POM))の強度設計
  4.3.1 POM の真応力−ひずみ曲線とボイドの形成と拡張状態の推定
  4.3.2 POMの破壊条件の推定
  4.3.3 種々の境界条件でのPOM構造体のタフネスの予測
   4.3.3.1 切り欠きの先端半径の効果
   4.3.3.2リガメントの厚さの効果
   4.3.3.3 試験片の幅の効果
 4.4 プラスチックのタフネスの評価方法と境界条件

5. 微細構造の調整によるタフニング 
 5.1 数平均分子量がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
 5.2 分子量分布の幅がクレイズ強度と粘度に及ぼす影響    
 5.3 i-PPの立体規則性がクレイズ強度に及ぼす影響
 5.4 共重合がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響

6. ひずみの拘束の解放によるタフニング              
 6.1 ボイドによる体積弾性率の緩和とひずみの拘束の解放
  6.1.1 ボイドの分散状態が塑性不安定に及ぼす影響
  6.1.2 Gurson モデルを用いた非線形解析(関連流動則) によるポリマーアロイのタフネスの予測
  6.1.3 修正Gurson(非関連流動則) モデルよるポリマーアロイのタフネスの予測
 6.2 エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
 
6.2.1 分散相の強度がタフネスに及ぼす影響
  6.2.2 複合構造のエラストマーとタフネス
  6.2.3 マトリックス樹脂の配向硬化とタフネス
   6.2.3.1 部分架橋による配向硬化の調整
   6.2.3.2 結晶化条件による配向硬化の調整
  6.2.4 熱可塑性エラストマーと樹脂の相溶性がタフネスに及ぼす影響
  6.2.5 エラストマーの配向がタフネスに及ぼす影響
  6.2.6 表面劣化によるぜい性化のエラストマーブレンドによる抑制
 6.3 他の体積弾性率の緩和につての試み

7. 高い剛性とタフネスが両立したプラスチック複合材料の強度設計 
 7.1 無機微粒子のブレンドによるタフニング 
 7.2 繊維の充填によるタフニング
  7.2.1 繊維と樹脂が強い界面強度を持つ場合
  7.2.2 繊維と樹脂の界面が適切な強度ではく離
   7.2.2.1 はく離強度がタフネスに及ぼす効果
   7.2.2.2 繊維長のアスペクト比がタフネスに及ぼす効果
   7.2.2.3 繊維長への締め付け力がタフネスに及ぼす効果
  7.2.3 界面強度の調整によるタフネスの改善の例
   7.2.3.1 酸変性低分子量PE改質材によるガラス繊維充填PCのタフニング
   7.2.3.2 アラミド繊維によるPLAの弾性とタフネスの改善

おわりに


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

46,440円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

東京都

MAP

【品川区】きゅりあん

【JR・東急・りんかい線】大井町駅

主催者

キーワード

高分子・樹脂技術

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