【京都開催】生分解性プラスチックの本格的実用化時代の到来と技術・市場開発動向


―フランスで「使い捨てプラ容器の使用禁止」新法の制定―


★ 世界に先駆けフランスが制定する「使い捨てプラ容器の禁止」は生分解性プラスチック容器への代替促進のカギとなるのか。

★ 欧州のプラスチックや有機廃棄物に関する規制・法制化状況等の情勢も踏まえて、生分解性プラの技術・市場の動向と展望を一日速習。



講師


望月 政嗣 氏 (工学博士、高分子学会フェロー)

【専門】高分子材料科学、
特にバイオプラスチックや生分解性高分子の材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性

1968年京都大学工学部高分子化学科卒。1969年ユニチカ㈱入社、中央研究所から本社技術開発企画室を経て2003年理事、テラマック事業開発部長。この間、山形大学客員教授、京都工芸繊維大学客員教授、同バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務。2007年ユニチカ㈱退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。現在、複数社の非常勤顧問。


受講料


48,600円 ( S&T会員受講料 46,170円 )


(まだS&T会員未登録の方は、申込みフォームの通信欄に「会員登録情報希望」と記入してください。詳しい情報を送付します。ご登録いただくと、今回から会員受講料が適用可能です。)


【キャンペーン!2名同時申込みで1名分無料(1名あたり定価半額 の24,300円)】
※2名様ともS&T会員登録をしていただいた場合に限ります。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、上記1名あたりの金額で追加受講できます。
※受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
※請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。


趣旨


 フランス政府は世界に先駆け2020年より使い捨てプラ容器の禁止に係る新法を制定し、生ごみと共に堆肥化可能な生分解性プラスチック容器への転換(50%<)を政策目標として掲げた。折しも、オランダのCorbion-Purac社はNatureWorks社(米)に続く世界で二番目のポリ乳酸の大型商業プラントの建設に着手した。従来の既成概念・価値観を根底から覆す真に革新的な全ての新技術が辿る社会的認知度曲線(ハイプ・サイクル/ガートナー)からすれば、生分解性プラスチックは1980年代の「黎明期」から新規性が喧伝される過度な期待ピークの「流行期」を経て、その後技術改良やコスト低減に時間を要する「幻滅期」に入ったが、今や技術も進歩し市場環境も整う中で再度登場する「回復期」に入りつつあり、今後は着実な市場拡大と成長が見込まれる「安定期」に至ると想定される。
 本講では、今後需要拡大が予想される生分解性プラスチックに関して、特に使い捨て容器・簡易食器具・包装材や農林・土木・園芸分野を中心に、最新の材料設計や成形加工技術の進展、さらには近年の市場開発動向について詳述する。これまで産学両分野で約30年間、ポリ乳酸を中心とする生分解性プラスチックの基礎・応用研究から技術・事業開発までを世界に先駆け成し遂げた講師による渾身のセミナーである。


プログラム


1. はじめに
 …地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
 1.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
 1) 地球上のゴミの終着駅、海洋に浮遊、
   沈積する無数のマイクロチップが鳥や魚たちの命を奪い自然生態系を破壊している!
 2) 地球上に生命が生まれて38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
 3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
 1.2 生分解性プラスチックと環境負荷低減効果
 1)“グリーンプラ”マーク…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
 2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
 1.3 生分解性プラスチックの分類
 1) 熱的・機械的特性…硬質タイプと軟質タイプ
 2) 生分解機構…酵素分解型と非酵素分解型
 1.4 持続的な資源循環型社会の建設のために
 1) 欧米グリーンガイド指針…biodegradableではなくcompostable   
 2) バイオリサイクル…堆肥化(好気性下)とバイオガス化(嫌気性下)
 3) Compostable(堆肥化可能)認証基準
  (1) EN13432 by Din Certco  (2) ASTM D6400 by BPI  (3) OK Compost by Vincotte
 1.5 欧州のプラスチックや有機廃棄物に関する規制と法制化状況
 1) 有機廃棄物分別収集の義務化…ドイツのリサイクル法改正(2015年)
 2) 使い捨てプラスチック容器禁止法…世界初、フランスが新法制定(2020年より)

2. ポリ乳酸(PLA)
 …インジオ(Ingeo)®/NatureWorks, Total-Corbionほか
 2.1 PLAポリマーの基本特性と各種基準認証取得状況
 1) 基本特性…硬質生分解性プラスチック(Tm=130-175℃, Tg=57℃)
 2) 各種基準認証取得状況
  (1) 生分解性、堆肥化可能性
  (2) 安全性、食品衛生性(食品衛生法370号、ポリ衛恊、FCN、EU)
 3) 生分解性
  (1) 生分解機構…2段階・2様式の特異的非酵素的生分解機構
  (2) 生分解挙動…土中分解、堆肥化(好気性下)、バイオガス化(嫌気性下)
 2.2 PLA成形加工技術の進展
 1) 成形加工性とその支配的因子…溶融粘度、結晶化速度
 2) 成形加工工程における結晶化
  (1) Melt Crystallization…メルトからの冷却固化過程における結晶化/押出成形、射出成形、ダイレクトブロー成形
  (2) Cold Crystallization…室温から加熱昇温過程における結晶化/真空・圧空成形、発泡成形、インジェクションブロー成形
 3) 成形加工分野…真空・圧空成形、射出成形、発泡成形、ブロー成形、フィルム、紙ラミ、繊維・不織布
 2.3第二世代PLA…高L組成ポリ乳酸(high %L PLA)(%D<0.5%, Tm=175℃)
 1) D体共重合比(%D)が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
 2) 高L組成ポリ乳酸の改良効果…耐熱性、寸法安定性、強度
 2.4 PLAの高性能・高機能化材料設計技術
 1) 耐衝撃性…可塑剤、耐衝撃性改良剤、マルチ機能改質剤
 2) 耐熱性…結晶化促進剤
 3) 透明耐熱性…溶解型結晶化促進剤 
 4) 耐久性(耐湿熱性)…加水分解抑制剤
 2.5 用途/市場開発動向
 1) 食品容器・包装材、食器具、食品フィルター、生ゴミ袋・ネット
     …青果物容器、使い捨て簡易食器具、リターナブル食器、生ゴミ袋、ティバッグ、水切りネット
 2) 農林・土木・園芸分野…グランドカバーシート、バーチカルドレインシート、土嚢、植樹ポット、シェ-ルガス採掘用目止材
 3) 生活雑貨分野…エコバッグ、タオル、ワイパー、封筒窓貼り
 4) その他…シュリンク包装・ラベル、ブリスターパック、電子機器筐体・部品、自動車内装材、ヘルメットライナー、3Dプリンター用モノフィラメント
 
3.ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)系
 …エコフレックス(ecoflex)®, エコバイオ(ecovio)®/BASF
 3.1 基本特性
 1) ecoflex®(PBAT)…柔軟性(Tg=-35℃)、強靭性、低融点(Tm=110-120℃)
 2) ecovio®…PBAT/PLAのコンパウンド樹脂
 3) 生分解性…堆肥化可能、土中分解
 4) 各種基準・認証取得状況
 3.2 成形加工分野…ブローンフィルム、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形
 3.3 用途…農業用マルチフィルム、林業用シート、生ごみ袋、紙ラミ・コーティング、レジ袋、簡易食器具、コーヒーカプセル、PLAやデンプン系生分解性樹脂の改質剤

4.ポリブチレンサクシネート(PBS)系
 …バイオPBS(BioPBS)®/PTT MCC BIOCHEM
 4.1 基本特性
 1) PBS…柔軟性(Tg=-47~-35℃)、低融点(Tm=84~115℃)
 2) 生分解性…土中分解、堆肥化可能(産業用、家庭用)
 3) 各種基準・認証取得状況
 4.2 成形加工分野…ブローンフィルム、シート、モノフィラメント、真空・圧空成形、射出成形
 4.3 用途…紙ラミ・コーティング、軟包装、マルチフィルム、林業用シート、モノフィラメント、杭、簡易食器具、コーヒーカプセル、ポリ乳酸改質剤

5.その他生分解性プラスチック
 5.1 ポリグリコール酸(PGA)…クレダックス(Kuredux)®/クレハ
 5.2 ポリハイドロキシアルカノエート(PHA)…アオニレックス(AONILEX)®/カネカ
 5.3 デンプン系…マタビィ(Mater-Bi)®/Novamont

 □質疑応答・名刺交換□  


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

48,600円(税込)/人

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開催場所

京都府

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【京都市下京区】京都リサーチパーク

【JR】丹波口駅

主催者

キーワード

高分子・樹脂技術   海外事業進出

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