再生医療製品(Adavanced Therapy Medicinal Prodcuts)GMPに関する欧州規制当局の査察ポイント

EU規制当局による査察に向けてどのような準備と対応が必要か

ATMPのGMPガイドライン(EudraLex Vol.4, Part IV)に関するスウェーデン当局の解釈と、査察時でのチェックポイントに関するガイダンスについて

4月19日付にてEMAより発行されたATMP治験薬製造施設に対するGMP違反のNon-Compliance Reportについても紹介

【ATMPに関する欧州GMPの知識と規制背景の理解】
【欧州規制当局によるGMP査察時のチェックポイントの傾向とは?】
【日本のGMP(GCTP)には規定がない特徴的な条文への対応をどうするか?】

<日本当局査察とは異なるEU規制当局の特異的な事項を理解する>
・EUでは治験薬製造施設も査察対象となる
・病院使用の例外行為に対してもGMPの対象となる
・リスクマネジメントを含む医薬品品質システム(PQS)の適切な運用とは

※コンサルタントなど同業種の方々の参加は堅くお断り致しますのでご遠慮下さい。

セミナー趣旨

再生医療製品(Adavanced Therapy Medicinal Prodcuts)に関する欧州の製造管理や品質管理についてはEudraLex Vol.4 GMPガイドラインのPart IVとして制定され、ATMP製造施設に於ける品質保証の要件や関連する書類化等について規定されています。Part IVの前文には、GMPの遵守は販売承認を求める全ての医薬品に対する承認許可の付与条件であると同時に、臨床治験に使用される製品の製造業者に対しても同様にGMPの遵守が求められると規定されており、治験薬段階でも製造施設は欧州規制当局による査察対象となっています。従って、欧州に特異的な制度である“病院使用の例外(Hospital Exemption)“としてDirective 2001/83/ECの規定下で患者に投与される再生医療製品についても、販売承認されたATMPの製造に関する品質保証と同等の管理条件下で製造されなければならないとされており、最終製品のみならず出発材料等を取扱う病院施設に対してもEudra GMP遵守の対象として規制がなされています。

Part IVではEU GMP制度の特徴であるQualified Personの役割に加えて、承認済ATMP製品と治験用ATMP製品とを区別して遵守要件を規定している条文や遺伝子改変生物(Genetically Modified Organisms)の取扱、自動化装置による製造での要件、病院等で実施する種々の作業による製品の再構成(reconstitution)への対応など、日本の再生医療等製品GMP(GCTP)には規定がない特徴的な条文もあり、日本よりも詳細で厳しい内容となっていることからEU規制当局による査察に向けては特別の配慮や準備が必要となります。

本セミナーでは、スウェーデン政府のイノベーションシステム庁(Vinnova)が中心となってスウェーデン政府内で立ち上げられた、戦略的イノベーションプログラム(Swelife)のなかのATMPプロジェクト(Swelife-ATMP)の内部プロジェクトであるCenter for Advanced Medical Products (CAMP)により策定された、ATMPのGMPガイドライン(EudraLex Vol.4, Part IV)に関するスウェーデン当局の解釈と査察時でのチェックポイントに関するガイダンスについて紹介するとともに、EudraLex Vol.4, Part IVの規定内容と遵守状況について査察時に確認される書類等について解説します。

このガイダンスの最終版はスウェーデン医薬品局のMedical Product Agency(MPA)によって監修されており、スウェーデン規制当局はこれまでに欧州圏内でのGMP査察問題に主導的役割を果たすとともにPIC/S内でも重要なポジションにて活動していること、さらにはPIC/Sが発行してきた種々のガイダンス関連文書である査察官用ガイダンス(Recommendation)や査察官用覚書(AIDE-MEMOIRES)の作成に深く関与してきたことなどから、このガイダンスはPIC/Sが現在検討中とされる再生医療製品(ATMP)に関するAIDE-MEMOIRESの内容に大きなインパクトを与えることが予想されます。従って、本セミナーにてEU査察当局としてのスウェーデン当局の査察時の視点について理解することで将来の欧州規制当局によるATMP製造所査察に向けた準備ができるだけでなく、PIC/S加盟国である日本当局による査察への対応も可能となります。

習得できる知識

  • ATMPに関する欧州GMP(EudraLex Vol.4, Part IV)の知識と理解
  • ATMPに関する欧州法規則の背景
  • スウェーデンGMP査察官の着目ポイントの知識と理解
  • ATMP製造施設に対する欧州規制当局によるGMP査察の視点
  • 欧州規制当局によるGMP査察時のチェックポイントの傾向

セミナープログラム

  1. 医薬品品質システム(PQS)
    • 有効性の証明
    • 職員の訓練
    • 一貫性のある生産と規格に適合する製品の保証
    • ATMP、出発物質、重要原材料のトレーサビリティに関するシステム
    • 全ての製品の品質特性、重要なプロセスパラメータのチェックと傾向分析の保証
  2. リスクベースアプローチ
    • 患者、環境、ヒトの健康に対するリスク要因の特定及びATMPに対するリスク評価
    • リスク分析の結果に基づく管理/回避措置の特定
    • 承認済ATMPに関するリスクベースアプローチ(販売承認書記載事項)
    • 治験用ATMPに関するリスク評価
  3. 施設
    • Qualification(適格性確認)と環境モニタリング
    • 多品目製造施設のリスク評価
    • 異なるバッチ/製品の同時製造のリスク評価
    • ISO 14644-1、ISO 14698-1、cGMP Annex 1への適合
  4. 設備
    • 設備、機器への要求事項(オープン設備と閉鎖系設備)
    • 構成、検査、チェック
    • 生産エリア内での機器等の移動ポリシー
  5. ドキュメンテーション
    • 事故による損失または損傷、および不正な操作からデータを保護する対策
    • Good Documentation Practice, ALCOA
    • 規格と指図の定期的な再評価および更新
    • ラベル化の要件
    • 施設と設備のqualification (適格性確認)
    • 製造プロセスのバリデーション
    • ドネーションから最終製品までのトレーサビリティ
    • ドナー識別コードまたはドナーの識別を許可する情報
    • 活性物質の識別情報
    • ドナー動物の識別データ
  6. 出発物質と原料
    • 抗菌剤使用の留意点
    • 研究グレードの原材料使用のリスク評価
    • 重要原材料(CMA)の決定
    • 原材料の管理戦略
    • サプライヤー適格性評価と合意文書
    • サプライヤーによるリコールへの対応
    • 指令2004/EC/23または指令2002/98/ECへの準拠
    • 試験結果なしでリリースされた出発物質の使用
    • 出発物質製造のGMP保証(プラスミド、遺伝子ベクター)
    • 異種細胞/組織の使用による追加リスク
    • ドナー動物の健康に悪影響を及ぼす要因への対策
  7. シードロットとセルバンクシステム
    • 細胞シードと細胞バンクの取扱い
    • コンポーネントを含むマスターシード/セルバンクのトレーサビリティ
    • 取り違えや交差汚染の防止策
    • 在庫記録(保管記録とモニタリング)
  8. 生産
    • 逸脱処理(原因究明と出荷妥当性)
    • ラベル管理と表示内容
    • 洗浄、除染の適切性確認
    • 汚染リスクの特定と回避策の有効性
    • 管理戦略の有効性
    • アクシデント時の対応策
    • 手術室で製造されたATMP
    • 滅菌プロセスのバリデーション
    • プロセスシュミレーションテスト(PST)
    • 重要品質パラメータのモニタリング
    • 一次包材の適切性
    • 治験用ATMPのラベル化
    • 最終製品の保管(検疫、隔離)
    • 拒絶品、回収品の取扱(再加工)
  9. 稼働適格性確認とバリデーション
    • 施設の適合性(ISO 14644-1、ISO 14644-2)
    • コンピュータ化システムバリデーション
    • URSの設定と妥当性
    • DQ/IQ/OQ
    • クリーニングバリデーション(治験用ATMPの洗浄法)
    • プロセスバリデーション(代替材料でのバリデーション)
    • 分析法バリデーション(治験用ATMPの分析法)
    • 輸送バリデーション
  10. QPとバッチリリース
    • QPの資格適格性
    • QPの業務分掌
    • (EU圏以外の)第三国で製造または試験されたATMP
    • バッチ宣誓(証明)とリリース
    • 分散製造に於けるバッチ宣誓とリリース(逸脱処理)
    • OOSバッチの処理(管轄規制当局への報告)
    • 医師によるOOSバッチの受入
  11. 品質管理
    • リファレンス(参考品)サンプルと保存品サンプル
    • サンプリングプラン
    • 工程内試験(IPC)
    • 記録化
    • 安定性試験
  12. 外部委託活動
    • 受託業者のGMP適合性
    • 受託業者との契約(品質欠陥時の責任とトレーサビリティ)
    • 委託者の義務と受託者の義務
  13. 品質の欠陥と製品リコール
    • 苦情処理や欠陥管理のシステム
    • 原因調査システムとCAPAシステム(有効性)
    • 規制当局への連絡
    • 治験用ATMPの盲検性解除システム
    • リコール時のアクションプラン(リコールのモック、在庫記録)
  14. GMOで構成されるATMPに対する環境管理対策
    • 環境に対する製品のリスク評価と低減対策
    • ウイルスベクターの取扱
    • GMOエリアから非GMOエリアへの移動
    • 環境放出時での緊急対応プラン
  15. バッチリリース後の製品再構成
    • 製品再構成の活動とは?
    • 再構成手順のバリデート(承認済ATMP)
  16. ATMPの自動生産
    • 自動化機器の適格性検証
    • 自動化機器の業者の義務
    • 自動化機器のメンテナンス(校正プログラム)
    • 無菌操作のバリデーション
    • QPによるバッチ宣誓(証明)
  17. 職員
    • 教育訓練のチェックリスト
    • GMO(遺伝子修飾生物)を取扱う職員
    • 清掃及びメンテナンス作業担当者
    • ワクチン接種

□質疑応答□

セミナー講師

立石 伸男 氏
ノビオコンサルティング  代表

セミナー受講料

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キーワード

再生医療等製品技術   バイオ技術   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)

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