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「いかに絶縁破壊につながる部分放電を発生させないか」
実機インバータ駆動モータを用いた共通評価試験を始め、
電気学会の技術報告書をもとに、基礎から応用まで詳解!
■部分放電現象とは?
■繰り返しインパルスによる部分放電(PD)計測
■インパルス試験方法の国際電気標準会議(IEC)規格
■実機モータを用いたインパルス絶縁評価試験
■高機能性EV用モータ巻線の開発と試験方法
セミナー趣旨
2050年頃までに地球温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロを目標に掲げ、幅広い産業分野において電動化が加速している。インバータ駆動モータは、電気自動車(EV)だけでなく、電気製品、産業用機器、建設機械、鉄道車両、高速エレベータ、等々の幅広い市場で急速に生産が拡大している。しかしながら、この電動化システムにおいて新たに危惧される最大の電気的課題は、インバータから繰り返し発生する立ち上がりの急峻なサージ電圧(インバータサージと言われる電気的ノイズ)によるモータの絶縁破壊トラブルである。
自動車の電動化ブームが到来する中、EVモータの小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化の競争が激しさを増し、過酷な使用条件下におけるモータの劣化対策、新モータ構造開発、絶縁シートレス、それに適した高機能な平角巻線の選定と有用な評価試験方法の開発が求められている。モータの急速な劣化損耗はインパルス波形のサージ電圧によって発生する部分放電が主原因であるが、その発生メカニズムや検知の方法は、従来のAC電圧の場合と比べて大きく異なっており、十分に理解されていない。その理由は、ナノ秒時間スケールの部分放電現象の発生が様々な環境要因で複雑に変化するためである。
「いかに絶縁破壊につながる部分放電を発生させないか!」の基本対策について、電気学会の「実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法」の技術報告書をもとに、実機モータを用いた共通評価試験を始め、基礎から応用まで詳しく紹介する。
習得できる知識
- 電動化の技術課題 ~インバータサージによるモータのトラブルとは何か?~
- インパルス部分放電と絶縁劣化メカニズム
- 国際規格の評価試験方法、その問題点と対策
- 実機モータのインパルス部分放電計測技術
- 高機能性EV用平角モータ巻線の開発状況と評価試験方法
セミナープログラム
- はじめに
- 電動化技術の課題と動向
- 各種インバータ駆動モータの絶縁システムの課題
- パワーモジュール(SiC/GaN)による高速スイッチング化の課題
- モータを絶縁破壊させる部分放電現象とは何か?
- インバータサージについて
- インバータサージで起きる部分放電と交流との違い
- インバータ駆動モータの部分放電発生箇所
- インパルス電圧による部分放電現象の特性
- 様々な環境要因(温度、湿度、気圧他)で変化する部分放電特性
- インバータ駆動の部分放電による絶縁劣化メカニズム
- 微少な部分放電が発生し始める電圧値(PDIV)の予測
- 繰り返しインパルスによる部分放電(PD)計測
- インパルス電源と電圧波形
- 各種部分放電センサー、その検出波形と閾値
- センサーノイズ、閾値とPDフリー判定条件
- インパルス試験方法の国際電気標準会議(IEC)規格
- インパルス試験電圧波形の規定と結線方法
- ストレスカテゴリーとインパルス電圧絶縁クラス
- 絶縁システムの認証試験方法
- IEC規格試験方法の課題点と対策
- 実機モータを用いたインパルス絶縁評価試験の実例紹介
- モータ、試験方法、電源と計測器
- 各インパルス電圧波形に対するPDIV特性
- モータのPDIV特性の環境要因依存性の検証
- 各コイルの分担電圧と部分放電発生箇所の推定
- PDフリーを検証するための課題
- 高機能性EV用モータ巻線の開発と試験方法
- 絶縁劣化の要因とメカニズム
- ナノコンポジット巻線の優れた耐サージ特性
- 低誘電率ポリマー材料の高PDIV特性
- EV用ラッピング平角巻線のPDIV高温特性
- まとめと今後の課題
□質疑応答□
セミナー講師
兵庫県立大学 大学院工学研究科 電気物性工学専攻 教授 永田 正義 氏
【研究内容・専門・ご活動・受賞など】
・電気学会技術調査専門委員会「インバータ駆動モータ絶縁評価法」 委員長
・電気学会A部門論文誌 編修長(現在)
・実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法、平成30年度電気学会・優秀技術活動賞(技術報告賞)受賞
・電気学会 フェロー
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配布資料
- PDFデータ(印刷可/編集は不可)
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