このセミナーへの申込みは終了しています。
以下の類似セミナーへのお申込みをご検討ください。
以下の類似セミナーへのお申込みをご検討ください。
紙系材料を開発・利用するために不可欠な、
紙構造と物性を理解する!
紙の基礎知識から、その広範な物性を詳しく説明し、
紙加工に向けた物性研究の動向と展望についても講義!
セミナー趣旨
現在我々の周囲にある材料は、鉄やアルミ等の金属類、ガラスを主とする無機系材料、紙およびプラスチックの有機系材料である。その中で紙は鉄よりは新しいが、プラスチックよりは格段に古い,約二千年の歴史を有する材料である。近代製紙産業は、蒸気機関に始まるエネルギー革命と共に発展してきたのだが、地球に埋蔵された石炭・石油を利用するエネルギー革命はまた同時に地球温暖化を引き起こした。今後、この温暖化を止めるには、埋蔵資源でなく、循環資源である木材を、さらにそれを原料とする紙を上手く利用することが肝要になる。紙は、かって印刷・情報媒体としての利用が大半であったが、最近は、コロナの影響もあり、物流・通販用途が急拡大している。また石油製品でもあるプラスチックは環境問題も引き起こし、今や脱プラとして紙容器の開発が盛んである。SDGs社会ではリサイクルも望まれるが、紙はその点でも優等生である。
本セミナーは、紙系材料を開発・利用するために不可欠な、紙構造と物性の理解を目的とするのだが、材料としての紙の基礎知識から、その広範な物性を詳しく説明し、紙加工に向けた物性研究の動向と展望についても述べる。
セミナープログラム
1.はじめに
- 紙の歴史・変遷
- 紙パ産業の特徴
- 原料としての木材、その化学成分
- パルプの種類と漂白
- 抄紙工程
2.紙の構造
- マクロから見た構造、ミクロから見た構造 (三次元観察)
- 坪量、厚さとその評価法
- 構造と物性における不均一性
- 不均一性と地合い
- 表面構造(粗さ)とその評価法
- 内部構造(空隙構造)とその評価法
3.紙の物性
- 光学物性とその評価法
- 多孔物性(サイズ性、透過性等)とその評価法
- 力学物性とその評価法 [単繊維試験を含む]
- 感性的性質(含摩擦、腰)とその評価法
- 水分の影響
4.紙系材料研究開発の進め方について
- 既存研究を十分調査する
- 紙の基本的な構造を念頭に置く
- 事象の見分け方と実験計画
- 他分野の研究手法
- モデル試料の作成が大事
5.おわりに
【質疑応答】
セミナー講師
京都大学 農学研究科森林科学専攻 紙材料科学研究室 農学博士 山内 龍男 氏
セミナー受講料
【1名の場合】39,600円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
関連セミナー
もっと見る関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
シリカとプラスチック、アンチブロッキング剤とシリカ
【記事要約】 今回、プラスチックと合成シリカの関係について、フィルムのアンチブロッキング剤への使用を例にについて解説します。合成シリ... -
シリカの構造、次世代のシリカ材料、希少価値の高いシリカとは
【記事要約】 SiO2の結晶構造には、低温型石英、高温型石英、 低温型トリディマイト、高温型トリディマイト、低温型クリストバライト、... -
シリカとクラーク数、なぜクラーク数は意味が無い数値といわれているのか
【目次】 1. 元素の存在割合 シリカ(英:silica)の組成式は、SiO2で表すことができ、二酸化ケイ素(Si... -
グラフェンとは?分かりやすく解説!特性や用途を紹介
グラフェンは、炭素原子が密に結合した2次元材料で、2004年に初めて分離されました。その強度と軽さ、透明性、柔軟性、驚異的な導電性によ...