無水マレイン酸変性による樹脂/繊維、フィラーの複合化と定量評価、構造解析【Live配信セミナー】

変性のメカニズムから変性条件、その効果を詳解!
分子量/グラフト量バランス、ベース樹脂の違いが
複合材料の物性にどのように影響してくるのか?

セミナープログラム

【10:00-11:20】

1.無水マレイン酸変性を用いた相容化と力学特性の関係

山形大学 学術研究院 高山 哲生 氏

【習得できる知識】
・高分子複合材料やポリマーブレンドの力学特性に関する基礎知識と理論
・無水マレイン酸変性品添加による力学特性改善メカニズム

【講座の趣旨】
無水マレイン酸による反応は高分子複合材料やポリマーブレンドでよく利用されている。本講座では無水マレイン酸が重合されたポリマー添加剤が短繊維強化プラスチックやポリマーブレンドの力学特性に及ぼす影響について、理論と実験結果を併せながら解説する。

1.短繊維強化プラスチックの力学特性に関する理論
 1-1 短繊維強化プラスチックの降伏条件
 1-2 界面はく離
 1-3 繊維の引抜け
 1-4 繊維の破断

2.短繊維強化プラスチックにおける無水マレイン酸系添加剤の役割
 2-1 ウエルド強さの繊維含有率依存性
 2-2 短繊維強化ポリプロピレンのウエルド強さに及ぼす無水マレイン酸変性ポリプロピレン添加効果
 2-3 引張強さと繊維配向の関係
 2-4 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PP添加効果
 2-5 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PS添加効果

3.ポリマーブレンドの力学特性に関する理論
 3-1 ポリマーブレンドの降伏条件
 3-2成形加工時に生じる残留ひずみとせん断降伏応力
 3-3 界面はく離による降伏
 3-4 相容化による降伏応力の変化と降伏条件の関係

4.無水マレイン酸でポリマーブレンドの相容化を有効に進める手法
 4-1 PCの加水分解を利用したPC/ABSポリマーブレンドの相容化

【質疑応答】


【11:30-12:50】

2.ポリプロピレン系複合材料における無水マレイン酸変性PPの機能と役割

静岡大学 青木 憲治 氏

【講座の趣旨】
ポリプロピレン(PP)系複合材料設計において「相溶化剤」は必須添加剤であり、 一般に無水マレイン酸変性PP(MAPP)が使用されている。 MAPPは"たかが"添加剤ではあるが、分子量/グラフト量バランス、ベース樹脂等の違いにより、 複合材料の機械的物性に大きな影響を与える。 昨今、活発に研究開発が進められているセルロースナノファイバー(CNF)/樹脂複合化においても CNFの分散性向上や界面結合形成等の重要な役割を担っている。 本講演では、無水マレイン酸変性PPの相溶化剤としての機能について、 また、当研究室で行っているCNF/樹脂複合化に関する研究内容について紹介する。

1.無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)について
 1-1 グラフト反応メカニズムとその構造
 1-2 分子量/グラフト量バランス

2.MAPPの添加効果について
 2-1 ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFRPP)
 2-2 ウッドプラスチック(WPC)
 2-3 各種フィラーとの複合材料

3.セルロースナノファイバー(CNF)/樹脂複合材料の開発
 3-1 研究の背景(バイオエコノミー、海洋プラスチック問題)
 3-2 CNF/樹脂複合化の課題と解決へのアプローチ

【質疑応答】


【13:30-14:50】

3.フィラー充填プラスチックにおけるマレイン酸変性樹脂の役割解明のためのアプローチ

京都大学 寺本 好邦 氏

【習得できる知識】
酸変性樹脂相容化剤の役割、バイオコンポジット(セルロース系フィラー充填プラスチック複合材料)の界面とフィラー分散性の評価法

【講座の趣旨】
フィラー充填プラスチックの相容化剤として用いられる酸変性樹脂は、効いて当たり前と捉える向きも多い。しかし、確かな実験事実を得るには困難が伴う。最近演者らは、酸変性樹脂とセルロース系フィラーの結合を分光学的に解明し、フィラーへの酸変性樹脂の濡れ性の評価とその物性への影響を明らかにしており、ごく最近は複合材中でのフィラーの分散性の簡便な定量評価法を提案している。本セミナーでは、これらの分子レベル〜nmレベル〜μmレベルに至るスケールで、相容化剤の働きをなるべく定量的に解明しようとしている最近の演者らの研究例をご紹介する。

1.酸変性樹脂の役割と研究法
 1-1 酸変性樹脂の役割はわかりきったことなのか?
 1-2 酸変性樹脂のはたらき;どう効いているか?
 1-3 セルロース系フィラーと酸変性樹脂は共有結合しているのか?
 1-4 そもそも酸変性樹脂の挙動は簡単に分析できるのか?
 1-5 一般的な研究例と最近の意欲的な取り組み

2.フィラーと酸変性樹脂の結合の検出(分子レベル)
 2-1 相互作用サイトの濃縮(酵素分解、溶媒抽出)
 2-2 分光測定に必要な前処理
 2-3 分光測定(FT-IR・NMR(特に膨潤体NMR法))のデータ紹介

3.フィラー表面への酸変性樹脂の濡れ性評価(nmレベル)
 3-1 示差走査熱量計による簡便法:昇降温測定
 3-2 モルホロジー観察(走査型電子顕微鏡、蛍光顕微鏡)
 3-3 フィラー共存下での酸変性樹脂の結晶化挙動の解析
 3-4 フィラー表面への酸変性樹脂の濡れ性と力学物性・破壊挙動の対応

4.複合材中でのフィラーの分散性の簡便な定量評価(μmレベル)
 4-1 試料の前処理
 4-2 フィラー分散性のパターン分類(ポワソン型/集中型/規則型)
 4-3 実際の観察とデータ整理
 4-4 フィラー分散性と力学物性の対応

5.酸変性樹脂研究の新たな展開:リサイクルに向けた取り組み

【質疑応答】


【15:00-16:20】

4.マレイン酸変性樹脂の変性構造解析

(株)UBE科学分析センター 宮内 康次 氏

【講座の趣旨】
無水マレイン酸変性(グラフト)樹脂である相溶化剤およびその相溶化剤を用いて作られたポリオレフィン複合材料について、グラフトした無水マレイン酸をNMRによって、いかに解析するかを紹介する。
本講により、樹脂を溶液NMR分析する際の勘どころ、NMRパルステクニック、NMR高感度分析のためのグラフト無水マレイン酸誘導体化法等、様々な実用的樹脂評価技術を習得できる。

1.相溶化剤:無水マレイン酸変性(グラフト)ポリオレフィン(MA-g-PO)
 1-1 MA-g-POとは
 1-2 グラフトMA構造解析の従来法と新規解析法

2.高感度二次元相関NMR法による末端グラフトMAの直接解析
 2-1 各種二次元相関NMR法によるグラフトMAの構造解析
 2-2 グラフトMAの定量的解析

3.NMRパルステクニックを駆使したオリゴマーグラフトMAの構造解析
 3-1 NMRパルステクニック
 3-2 オリゴマーグラフトMAのNMRスペクトル
 3-3 MA-g-PO 4種のMAグラフト構造

4.化学反応とNMR法を組合わせた超微量グラフトMAの高感度分析
 4-1 グラフトMAの超臨界メタノールによるメチル化反応
 4-2 メチル化グラフトMAの1H NMR分析
 4-3 グラフトMAの定量限界

5.ポリオレフィン複合材料におけるMAの分析
 5-1 ポリオレフィン複合材料:表面修飾無機フィラー
 5-2 超臨界メタノール処理-1H NMR分析

【質疑応答】

セミナー講師

1.山形大学 学術研究院 助教 高山 哲生 氏

2.静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 青木 憲治 氏

3.京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 准教授 寺本 好邦 氏

4.(株)UBE科学分析センター 有機材料分析研究室 室長 宮内 康次 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕

受講について

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    お申込みが直前の場合には、開催日までに資料の到着が間に合わないことがあります。ご了承ください。
  • 当日は講師への質問をすることができます。可能な範囲で個別質問にも対応いたします。
  • 本講座で使用される資料や配信動画は著作物であり、
    録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止いたします。
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    複数端末から同時に視聴することや複数人での視聴は禁止いたします。
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    万が一部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   繊維技術   複合材料・界面技術

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66,000円(税込)/人

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高分子・樹脂材料   繊維技術   複合材料・界面技術

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