初心者向けセミナーです 生分解性プラスチック入門講座 ~ 生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで ~【ライブ配信】

生分解性プラの基礎から応用まで、ポリ乳酸を中心とする代表的な素材の基本特性や最新技術・製品動向を解説!

セミナー趣旨

 海洋プラスチック汚染問題が顕在化した今日、地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決の切り札、植物由来生分解性プラスチックが注目を浴びている。しかしながら、巷では断片的な知識に基づく軽薄にして短小な論理や幾多の偏見や誤解が横行し、また公的機関や業界が的確な指針を打ち出せない中で、連日のマスメディア報道が混乱に拍車をかけているように見受けられる。
 本講では先ず地球環境。資源・廃棄物問題の正しい理解を出発点とし、生分解性プラの基礎から応用まで、ポリ乳酸を中心とする代表的な素材の基本特性や最新技術・製品動向までを初級~中級技術者にも技術レベルを落とすことなく正確かつ平易に解説することを目的とする。本講は、1980年代からこれまで約30年間、産学両分野で基礎研究から技術・事業開発までの実績を有する世界的第一人者による覚醒のセミナーである。

受講対象・レベル

  • 生分解性プラスチックの基礎から最先端技術の取得を目指す初級~中級技術者
  • 最新の法規制動向や用途・製品・市場開発動向を知りたい開発営業者

習得できる知識

 海洋プラ汚染の実態・対策と地球環境保全・資源循環型社会に向けての法規制動向、生分解性プラスチックの基本特性と様々な環境下における生分解挙動・機構、生分解性プラスチックの材料設計/成形加工技術と製品・市場開発動向

セミナープログラム

  1. 生分解性プラスチックの分類と基本特性
    1. 学術・技術用語の正しい理解
      1. バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの違いとは?
        • バイオマスプラスチックは、欧米人が決して使用しない和製英語!
        • 上位概念としてのバイオプラスチックが正規のユニバーサルな学術・技術用語
      2. バイオプラスチックと生分解性プラスチックの関係は?
      3. 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度…「グリーンプラ」と「バイオマスプラ」・「グリーンプラ」と「バイオマスプラ」は愛称(ニックネーム)!
    2. 生分解性とは…微生物が資化・代謝して無機化(CO2ガス発生)すること
    3. 生分解性認証試験…ISO 14855、JIS K6395、その他
    4. 代表的な生分解性プラスチックの分類と特徴
      1. 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm=57℃/175℃
        • 生分解性機能が求められるバイオリサイクル材と長期使用耐久性が求められる構造材料としての両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
      2. 軟質タイプ
        ① ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm=-35℃/115℃
        ② ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)Tg/Tm=-47~-35℃/84~115℃
    5. 生分解機構
      1. 酵素分解型…微生物が分解酵素を分泌し材料表面から分解(surface erosion)
      2. 非酵素分解型…加水分解により全体的に崩壊・分解(bulk degradation)
        • PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を2段階2様式の生分解機構から理解する!
    6. 様々な環境下における生分解挙動
      1. 自然環境下…土壌中、海水中
      2. 再資源化(バイオリサイクル)過程
        ① 堆肥化…酸素存在下の好気性微生物による分解
        ② バイオガス化…酸素不在下の嫌気性微生物による分解
        • 理想の分解速度は使用過程の自然環境下では遅く再資源化工程では速いこと!
    7. 食品衛生性/安全性…食品衛生法370号、ポリ衛協(JOHSPA)ほか
  2. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
      1. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
        ① 鳥や魚、貝、プランクトン、そして人間の体内からマイクロプラスチック
        ② 国連環境計画「生分解性プラは役に立たない」…軽薄にして短小な論理!
        ③ 海洋プラスチック濃度の経年変化(累積増加)曲線…生分解性プラと非生分解性プラの比較
        ④ 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
        ⑤ 海水中のマイクロチップは太古の昔より存在した…海洋に流入する流木類
        ⑥ マクド&スタバさん、紙製ストローもマイクロチップのかたまりです!
        ⑦ 海洋環境が許容し得る分解速度とマイクロチップの低濃度レベルとは?
        ⑧ 生分解性プラの海水中での分解挙動
      2. 地球上に生命が生まれて38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
        • 自然界の生物が生み出す全ての高分子化合物は生分解性…土に、海に還る!
      3. 自然界が有する真のリサイクルシステム…炭素循環/物質循環
    2. 持続的な資源循環型社会の建設のために
      1. 欧米グリーンガイド指針…ポイ捨てを助長する生分解性表示は禁止!
      2. バイオリサイクル(再資源化)…堆肥化又はバイオガス化(メタン発酵)
      3. 生分解性プラスチックの堆肥化可能(compostable)認証基準
        ① 生産者としての植物…大気中のCO2から有機化合物を合成
        ② 消費者としての動物…植物や動物を食べることにより有機化合物を再合成
        ③ 分解者としての微生物…動植物を分解し、資化・代謝してCO2に還元
        • 目先のPETボトルのリサイクルよりも地球的規模でのリサイクルに目を向けよ!
      4. カーボン・フットプリント…ライフサイクルアセスメント(LCA)による製品の環境負荷の客観的・定量的評価
    3. 世界の法規制並びに業界動向
      1. 世界の法規制動向
      2. 欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定!
      3. 業界動向…世界ラーメンサミット「大阪宣言」:ラーメン容器を生分解性に!
  3. 生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計と成形加工技術
    1. 基幹素材としての高L組成ポリ乳酸(high %L PLA, %D<0.5%)
    2. 高性能化材料設計…耐衝撃性、耐熱性。透明耐熱性、耐久性(耐湿熱性)
    3. 成形加工
      1. 成形加工の物理的意味…溶融体の冷却固化過程に於けるガラス化又は結晶化
      2. 成形加工…繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空形、射出成形、発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形
      3. 成形加工性支配因子…溶融粘度、結晶化速度、その他
  4. 生分解性プラスチックの用途・製品・市場開発動向 <多数の製品写真で紹介>
    1. 自然環境下で短期間(1年前後)使用の農林・園芸資材…農業用マルチフィルム等
    2. 自然環境下で比較的長期間(3~5年)使用の農林・園芸・土木・水産資材…防草・植栽シート、バーチカルドレインシート、シェ-ルガス採掘目止材、養殖筏浮き等
    3. 使い捨て食器具、食品容器・包装材、生活雑貨・衛生資材…青果物容器、弁当容器、即席ラーメン容器、紙コップ、ティバッグ、シュリンク包装・ラベル、ワイパー、レジ袋、生ゴミ袋等
    4. 通常環境下で比較的長期間(3~5年)使用の生活雑貨、産業資材…エコバッグ、紙ラミ袋、タオル、文房具、旗・標識・看板、フィルター、魚箱、断熱・緩衝材
    5. 通常環境下で長期間(5~10年)使用の耐久性構造材料…携帯電話筐体、電子機器筐体・部品、自動車内装材、リターナブル食器具、3Dプリンター用フィラメント、インテリア資材
      • 先ず製品寿命(使用・奉仕期間)の確保が第一義的に重要、分解速度の速いものはゴミの拡大再生産!
  5. 質疑応答

セミナー講師

望月 政嗣 氏  元京都工芸繊維大学 特任教授、工学博士、高分子学会フェロー

セミナー受講料

49,500円(税込)  * 資料付
*メルマガ登録者44,000円(税込)
*アカデミック価格26,400円(税込)

★メルマガ会員特典
2名以上同時申込で申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、
2人目は無料(1名価格で2名まで参加可能)、3名目以降はメルマガ価格の半額です。

★ アカデミック価格
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、
大学院の教員、学生に限ります。申込みフォームに所属大学・大学院を記入のうえ、
備考欄に「アカデミック価格希望」と記入してください。

受講について

  • 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
    お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
     → https://zoom.us/test
  • 当日はリアルタイムで講師へのご質問も可能です。
  • タブレットやスマートフォンでも視聴できます。
  • お手元のPC等にカメラ、マイク等がなくてもご視聴いただけます。この場合、音声での質問はできませんが、チャット機能、Q&A機能はご利用いただけます。
  • ただし、セミナー中の質問形式や講師との個別のやり取りは講師の判断によります。ご了承ください。
  • 「Zoom」についてはこちらをご参照ください。

■ お申し込み後の流れ

  • 開催前日までに、ウェビナー事前登録用のメールをお送りいたします。お手数ですがお名前とメールアドレスのご登録をお願いいたします。
  • 事前登録完了後、ウェビナー参加用URLをお送りいたします。
  • セミナー開催日時に、参加用URLよりログインいただき、ご視聴ください。
  • 講師に了解を得た場合には資料をPDFで配布いたしますが、参加者のみのご利用に限定いたします。他の方への転送、WEBへの掲載などは固く禁じます。
  • 資料を冊子で配布する場合は、事前にご登録のご住所に発送いたします。開催日時に間に合わない場合には、後日お送りするなどの方法で対応いたします。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

49,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   環境負荷抑制技術   バイオ技術

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