人工光合成 の基本メカニズムと 最近の研究・開発動向

【人工光合成】技術:最近の研究動向は? 可能性はどこまで?
 「人工光合成系の実験方法および評価における注意点」?


講師


京都大学 大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻
 触媒機能化学分野 教授 博士(理学) 阿部 竜 先生


セミナーポイント


■本セミナーの特色は?
我々人類が「持続可能な社会」を構築するためには、再生可能エネルギーの利用が不可欠であり、無尽蔵の太陽光エネルギーを高効率に電気や燃料に変換する「太陽光エネルギー変換」における技術革新が強く望まれています。太陽エネルギーを「水素」などの「化学エネルギー」へと変換する広義の「人工光合成」研究においては、半導体光触媒を用いた水の分解や、金属錯体等による二酸化炭素の還元固定化などにおいて、近年いくつものブレークスルーがなされ、実用化への期待が高まりつつあります。さらに天然の「光合成」の研究においても、長年明らかにされていなかった、酸素生成系マンガンクラスターの精密構造が解析されるなど、画期的な研究成果が報告され、人工光合成実現の1つの大きな足がかりになると期待されています。本講座では、半導体光触媒を用いた水の分解による水素製造研究を中心に、人工光合成の基礎から、研究の歴史、最新の研究成果、そして今後の展望まで、分かり易く解説します。

■主な受講対象者
・人工光合成技術の研究・調査をしている方
・触媒関連技術従事者
・環境配慮型の研究開発に従事している方
・10年後、20年後……に実る研究テーマの探索、先行調査をしている方 など

▽過去の同講師セミナー受講者の声(アンケートより)
「人工光合成についてよく理解することができた」(太陽電池研究)
「分野外の私でも問題なく受講できた」(鉄鋼)
「人工光合成の情報収集や研究動向を知りたくて受講。満足です」(電池材料開発)
「実験方法や“ここでしか聴けない話”があって大変有益だった」(医薬品)
「研究テーマ検討のため受講。大変興味深いお話をありがとうございます」(電力研究)
「個別質問にも答えていただきありがとうございました」(電子材料の研究開発)
「専門外だが新規技術調査の一環で参加。有益でした」(電子デバイス研究開発)


セミナー内容


1.はじめに
 1-1 天然光合成と人工光合成
  1-1-1 天然光合成の概要
  1-1-2 人工光合成系の定義
  1-1-3 天然光合成研究の最近の進展と人工光合成系との関わり
 1-2 人工光合成(太陽光エネルギー変換)の概要
  1-2-1 人工光合成の原理と研究の歴史
  1-2-2 水の光分解による水素製造
  1-2-3 二酸化炭素の還元再資源化
  1-2-4 新規エネルギーキャリア(過酸化水素・アンモニア等)の合成
  1-2-5 目標となる太陽エネルギー変換効率と各系における現状

2.半導体光触媒・光電極を用いた水分解(水素製造)
 2-1 研究背景および歴史
  2-1-1 研究の始まりと歴史
  2-1-2 実用化への課題と解決への取り組み
 2-2 半導体光触媒を用いた水分解
  2-2-1 半導体のバンドギャップと光の波長の関係
  2-2-2 半導体のバンドエネルギーと化学反応の関係
  2-2-3 なぜ可視光を用いた水分解が必須かつ困難なのか?
 2-3 植物の光合成を模倣した二段階励起型(Zスキーム型)可視光水分解
  2-3-1 二段階励起型水分解の仕組み
  2-3-2 ヨウ素酸・ヨウ化物イオンを用いた水分解
  2-3-3 長波長利用のための半導体材料開発と応用
  2-3-4 水素と酸素の分離生成
  2-3-5 二段階励起型水分解の最新研究例(高効率光触媒パネルなど)
 2-4 バンドエンジニアリングに基づく可視光水分解の実証
  2-4-1 可視光水分解を達成するための材料開発指針
  2-4-2 酸窒化物系固溶体による可視光水分解
  2-4-3 ドープ型酸化物による可視光水分解
  2-4-4 特異なバンド構造と安定性を有する新規酸ハロゲン化物
 2-5 各種半導体光電極を用いた可視光水分解
  2-5-1 高効率水分解のための電極構造設計指針
  2-5-2 各種酸化物および非酸化物系半導体電極の開発

3.光触媒を用いた二酸化炭素の還元
 3-1 研究背景および歴史
  3-1-1 研究の始まりと歴史
  3-1-2 実用化への課題と解決への取り組み
  3-1-3 水分解反応との共通性および相違点
 3-2 金属錯体および半導体光触媒を用いる二酸化炭素の還元
  3-2-1 高効率・高選択的二酸化炭素還元のための金属錯体設計指針
  3-2-2 高効率・高選択的二酸化炭素還元のための半導体設計指針
  3-2-3 研究開発の現状と課題
  3-2-4 金属錯体-半導体ハイブリッド系による二酸化炭素還元

4.人工光合成系の実験方法および評価における注意点
 4-1 水分解反応の実験装置および評価法
 4-2 二酸化炭素還元反応の実験装置および評価法
 4-3 反応効率の算出法と注意点

5.人工光合成研究における研究進展のまとめ・課題・今後の展望

<質疑応答・名刺交換・個別相談>


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:30

受講料

41,040円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

東京都

MAP

【江東区】江東区産業会館

【地下鉄】東陽町駅

主催者

キーワード

光学技術

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