放熱基板(セラミックス・樹脂)の高熱伝導化に向けた材料技術動向

~AlN・SiN基板/AlN・h-BNフィラー添加樹脂基板の高熱伝導化技術~


自動車や鉄道車両用途を中心としたパワーモジュールの普及、集積回路の高集積化・高周波動作に伴い、熱対策・放熱設計の重要性が増しています。本セミナーでは、熱対策に貢献する放熱基板に焦点をあて、窒化ケイ素・窒化アルミニウム基板/窒化アルミニウム・窒化ホウ素フィラー添加樹脂基板の熱伝導性向上に資する材料技術の最新動向を解説します。


受講料


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講師


第1部 : 高放熱基板の技術動向(11:00~12:10)
 デンカ(株) セラミックス基板プロジェクト 西村 浩二 氏
 【主な経歴・研究内容・受賞】
  1993年3月 九州大学 材料開発工学修士卒業
  1993年4月 電気化学工業(株)(現在のデンカ(株))入社
  研究内容:セラミックスを中心とする無機材料、セラミックス基板の研究開発
  受賞:平成27年度 JFCA 産業振興賞(団体)
     「電鉄用、自動車用高信頼性セラミックス回路基板の開発と量産化」

第2部 : 窒化アルミニウムウィスカー状フィラーの開発(13:00~14:10)
 名古屋大学 未来材料・システム研究所 附属未来エレクトロニクス集積研究センター 教授 宇治原 徹 氏

第3部 : 高熱伝導率化のためのc軸配向窒化ケイ素セラミックスの開発(14:20~15:30)
 (地独) 神奈川県立産業技術総合研究所 研究員 高橋 拓実 氏

第4部 : 窒化ホウ素焼結体の熱伝導度と樹脂用窒化ホウ素熱伝導フィラーの開発(15:30~16:40)
 香川大学 工学部 材料創造工学科 准教授 楠瀬 尚史 氏


プログラム


第1部 : 高放熱基板の技術動向(11:00~12:10)
 デンカ(株) 西村 浩二 氏

<得られる知識>
 ・金属基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
 ・セラミックス基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
 ・高放熱化に向けた放熱構造に関する取り組みと具体的な取り組み状況   <趣旨>
 近年、電力の有効利用に向けてパワーモジュールの普及が進み、放熱基板は高耐圧、高放熱、高信頼性が求められる電鉄、車載用途を中心に広く使用されている。今後、次世代半導体素子(SiC、GaN等)の普及に伴い、パワー密度の増加に伴う放熱特性の改善、使用温度の高温化(175℃→250℃)による耐熱性の向上が要望されており、回路基板の高熱伝導化、高信頼性に向けた種々の取り組みが図られている。
 本発表では、放熱構造も含めた放熱基板の技術開発状況について報告を行う。

<プログラム>
 1.放熱基板の用途と要求特性

 2.樹脂基板(高熱伝導アルミニウム基板)
  2.1 高信頼性に向けた取り組み
  2.2 高耐熱性に向けた取り組み
  3.3 高放熱性に向けた取り組み(高熱伝導フィラーについて)

 3.セラミックス基板(窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板)
  3.1 絶縁層(セラミックス)からの取り組み
  3.2 メタライズ層、回路金属からの取り組み

 4.高放熱化に向けた放熱構造の取り組み
   □質疑応答・名刺交換□
  第2部 : 窒化アルミニウムウィスカー状フィラーの開発(13:00~14:10)
 名古屋大学 宇治原 徹 氏

<得られる知識>
 材料開発技術、材料プロセス設計技術、結晶成長技術

<趣旨>
 様々な半導体デバイスの性能向上において、半導体素子から発生する熱の放熱を以下に効率よく行うかが、重要な課題となっている。たとえば、電子デバイスの場合は放熱がプロセッサなどの速度を律しているし、最近、省エネ技術の要として注目されているパワーデバイスにおいては、大電力を扱うことから、その重要度がより一層高い。半導体素子からの放熱の改善においては、絶縁性基板、封止材、接着剤、グリースなどの熱伝導の向上が必要となる。
 一般に、樹脂などの熱伝導率向上においては、比較的熱伝導率の高い材料をフィラーとして混合する手法が用いられる。窒化アルミニウム(AlN)は、高熱伝導性と高絶縁性を併せ持つ。そのためフィラー材として大きな期待が寄せられている。しかし、AlNフィラー材の作製コストが高いという問題があった。
 我々は最近、比較的容易にAlNフィラーを作製できる手法を開発した。しかも、この方法により形成されるフィラーはウィスカー(ひげ結晶)状のものであり、より一層の熱伝導率向上が期待できる。

<プログラム>
1.AlNウィスカー状フィラーの可能性
2.AlNウィスカー結晶の合成
 2.1 AlNウィスカーの合成法の基礎
 2.2 形成メカニズム
 2.3 最適条件の探索方法
 2.4 AlNウィスカーの評価
 2.5 樹脂への混合
 2.6 今後の課題

 □ 質疑応答 □
  第3部 : 高熱伝導率化のためのc軸配向窒化ケイ素セラミックスの開発(14:20~15:30)
 (地独) 神奈川県立産業技術総合研究所 高橋 拓実 氏

<得られる知識>
 ・磁場を用いた配向セラミックス製造技術(特に、Si3N4)
 ・粒子複合化技術

<趣旨>
 SiCパワーデバイス実用化に向けたサーマルマネージメントのために、放熱基板の革新的性能向上は急務である。
 SiCパワーデバイスのより高い動作温度と大きな熱応力に耐えうる、優れた機械的特性と熱伝導率を両立できる材料として、窒化ケイ素(Si3N4)が注目されている。Si3N4は大きな熱伝導率異方性(理論値でc軸方向に400W/(m・K)、a軸方向に180W/(m・K))をもつ。
 我々は、磁場を用いた配向プロセスにより、試料の厚さ方向にc軸配向した高熱伝導率Si3N4基板を開発した。さらに、「使われてこそ材料」という理念から、実用性の高い低磁場を利用する革新的プロセスの開発にも取り組んでいる。
 本講演では、これらの内容について紹介する予定である。

<プログラム>
 1.SiCパワーデバイス用放熱基板
 2.Si3N4セラミックス
  2.1 Si3N4とは
  2.2 高熱伝導率化のための微構造制御
 3.磁場配向法により作製された高熱伝導率Si3N4セラミックス
  3.1 超伝導磁石による高磁場を利用した配向プロセス
  3.2 実用的な革新的低磁場による配向プロセス
 4.今後の展望
 5.総括

 □質疑応答・名刺交換□
  第4部 : 窒化ホウ素焼結体の熱伝導度と樹脂用窒化ホウ素熱伝導フィラーの開発(15:40~16:50)
 香川大学 楠瀬 尚史 氏 

<得られる知識>
 ・BNの熱伝導性について学ぶことができる。
 ・高熱伝導BN焼結体の作製方法について学ぶことができる。
 ・BNフィラーの化学合成について学ぶことができる。

<趣旨>
 六方晶窒化ホウ素(h-BN)は、グラファイトと似た構造を持ち、軽い元素であるBとNが六角形状に強い共有結合で結びついた六角網面層が弱いファンデルワールス結合で積層された構造を有している。このa軸方向に相当する六角網面層は、強い共有結合で結びついているため400W/mK程度の高熱伝導を有していると言われているが、弱いファンデルワールス結合で積層したc軸方向では2W/mK程度と報告されている。
 本講演ではまず、熱伝導異方性のあるh-BNを用い、高熱伝導h-BN焼結体の可能性について報告するとともに、BNフィラーを添加した樹脂複合材料の熱伝導性の改善についても報告する予定である。

<プログラム>
 1.h-BN
  1.1 h-BNの構造
  1.2. h-BNの位置づけ                                                                   
 2.高熱伝導BN焼結体                                                                   
  2.1 焼結助剤の影響                                                           
  2.2 BN粒径の影響                                                                                                                                       
 3.高熱伝導ハイブリッド材料                                                     
  3.1 BN凝集体添加エポキシハイブリッド材料の熱伝導度                                                                      
  3.2 ホウ素源としてBを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度
  3.3 ホウ素源としてB4Cを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度

 □質疑応答・名刺交換□


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電気・電子技術   生産工学

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