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バイオマスプラスチック/生分解性プラスチックの開発動向と海洋分解を含めた将来展望
全国55,0002024-06-04
通算4回目:毎回好評、充実のセミナー! 詳しくは下記を!
講師
独立行政法人 国立高等専門学校機構
鈴鹿工業専門学校 材料工学科 教授 工学博士 兼松 秀行 先生
英国金属表面処理学会フェロー(FIMF).専門は材料表面科学・工学.1989年工学博士(名古屋大学).
米国表面処理協会(NASF),英国金属表面処理学会(IMF),米国素材学会(TMS),ASMインターナショナル,日本金属学会(JIM),日本鉄鋼協会(ISIJ)など国内外の様々な学協会の正会員として活躍中.株式会社情報機構での講演実績は過去3回で、毎回好評を博している。
・研究キーワード: バイオフィルム 表面ぬめり 表面汚れ 表面処理
セミナーポイント
■講師より
ぬめりは、科学的に言うと、細菌の活動によって形成されるバイオフィルムにより起こる材料表面の現象である。材料の表面には細菌の栄養となる有機物が吸着して薄い膜状の物質を形成している。この栄養をめがけて、細菌が材料表面に付着し、やがて増殖して、ある一定数以上の細菌が集まると、多糖を一斉に排出し、これに細胞外DNA(e-DNA)などが加わって、バイオフィルムを形成する。この多糖-細胞外DNAの混合物質は細胞外重合物質(EPS)と呼ばれるが、これがぬめりの正体である。しかし、もっと分かりやすく言うと、身の回りの台所や風呂場、トイレの嫌なぬめりから、エアコンや窓、鏡の汚れ、そして病院での感染や、私たちの持病(慢性病)の原因ともなるものである。本セミナーでは、このぬめりの基礎から評価、対策までを分かりやすく、また工業的な問題解決ができるような形でご紹介する。
●受講特典
講師の著作『バイオフィルムとその工業利用』(米田出版)を当日会場にて進呈
■受講対象者
・「ぬめり」の知見を求める全ての方
・表面処理/改質技術者
・抗菌剤/添加剤技術者
・抗菌剤/添加剤ユーザー
・洗浄関連技術従事者 など
※扱っている材料は不問です。
■受講して得られる情報・知見
・ぬめりの本質は何であり、どのようにして形成されるか?
・ぬめりはどのようにして“測る”ことができるか?
・ぬめりのどのようにして除去できるか?
・ぬめりの各種対策方法 など
▽過去の同講師セミナー受講者の声(アンケートより)
「製造ラインに発生するバイオフィルムの対策のために参加しました。今日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました」(生産管理)
「お話が上手で、分かりやすかったです」(医薬品)
「ぬめり防止について、質問に答えていただきありがとうございます」(技術営業)
「抗菌作用の理解を深めるため受講しました。有益な内容でした」(研究統括・戦略)
「メカニズム、対策指針を把握できました。ありがとうございました」(機能水、研究開発)
「ぬめり抑制のメカニズムの箇所が面白かったです」(商材開発・販路開拓)
「バイオフィルムの説明がわかりやすく、今後の対策のヒントになった」(生産管理)
「バイオフィルムの評価方法が興味深かった」(表面改質)
「とても参考になりました」(自動車部品の洗浄・防汚要素技術)
【セミナープログラム】
1 ぬめりの科学
1.1 ぬめりとは:その本質
1.1.1 ぬめり研究の歴史
1.1.2 ぬめりと細菌:バイオフィルム/バイオファウリング
1.1.3 なぜぬめるのか:その科学的アプローチ
1.1.4 材料とぬめりの関係
1.2 ぬめり形成の過程と主役たち
1.2.1 コンディショニングフィルム
1.2.2 クオラムセンシングとEPS
1.2.3 バイオフィルムの形成と崩壊
2 ぬめりが引き起こす産業上の問題
2.1 金属材料の腐食劣化
2.1.1 海洋環境
2.1.2 冷却水系
2.1.3 大気環境
2.1.4 その他
2.2 配管中でのスケール形成
2.3 船舶
2.4 バラスト水
2.5 食品衛生関連
2.6 生体材料:感染症との関係
2.7 いくつかのポジティブな例
2.8 その他
3 ぬめりとEPS(細胞外重合物質)
3.1 細胞外重合物質(EPS)とは:なぜぬめるのか?
3.2 EPSの構造
3.3 EPSの役割
3.3.1 材料表面への付着
3.3.2 細菌細胞間の結合
3.3.3 ぬめりの強さ
3.3.4 水を材料表面に保持する能力
3.3.5 宿主防衛への影響
3.3.6 有機物の吸収能
3.3.7 無機イオン・金属イオンの取り込み
3.3.8 ぬめりの保持と崩壊
3.3.9 細菌への栄養としてのぬめり
3.3.10 遺伝子情報の交換
3.3.11 ぬめりの中の酸化・還元
3.3.12 炭素の貯蔵庫
3.3.13 酵素との結びつき
4 ぬめりの評価法
4.1 評価法の構成:ぬめりを作って測る
4.2 ぬめりの作製法
4.2.1 静置法
4.2.2 フローメソッド
4.2.3 ミクロコスモス
4.2.4 実環境暴露・浸漬
4.3 評価法
4.3.1 染色
4.3.2 光学顕微鏡と蛍光顕微鏡
4.3.3 共焦点レーザ顕微鏡
4.3.4 SEM-EDX
4.3.5 UV-Vis
4.3.6 FTIR(ATR)
4.3.7 ラマン分光
4.3.8 遺伝子解析
4.3.9 その他
5 ぬめりの対策
5.1 物理的・機械的方法
5.1.1 バイオフィルム・スケールの機械的な除去法とその実際
5.1.2 電磁処理
5.2 薬剤による方法(化学洗浄)
5.2.1 過酸化水素関連
5.2.2 塩素関連
5.2.3 有機物系
5.3 材料からのアプローチ
5.3.1 材料選択による対策とその基準
5.3.2 新しい材料開発
5.3.3 コーティング
5.4 その他
6 将来に向けて
<質疑応答・名刺交換・個別相談>
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