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QUESTION 質問No.47

自社の独自技術を生かした製品開発と販売方法

企画戦略/マーケティング |投稿日時:
従業員85名でアルミ系合金を主体に鋳造加工を事業とする企業です。
この道40年以上の職人が多く、他社ではできない形状についても実現できるために、高い評価を背景として、少量の試作品を中心に相応の業績を続けてきました。
しかしながら昔からまとまった量の取引があった大手発注元が海外へ工場を移転し、まだ当社から届けていますが、いずれ現地から調達するようになるのも時間の問題と思われます。

そこで自社の高い鋳造力を使って自社ブランドを立ち上げ、全国あるいは海外に向けて販売できないものかと考えていますが、初めの一歩をどのように踏み出すべきか分からずに困っています。
これまでは、長い付き合いの大手と口コミで受注していたため、本当の意味での営業マンや企画担当は社内におらず、社長の私が外部とのお付き合いを担当してきました。
最近社外から転職してきた40歳になる長男が、偉そうなことを言っているものの鋳物のことは何一つ知らず、任せるまでに5年はかかるとみています。

是非専門家の皆さんのご意見をお聞かせください。

 [これは当社が設定した架空の質問です]

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

他社にできない形状のアルミ鋳造が実現できるのなら、十分に打ち手はあります。そして最大のネックは営業経験の少なさです。御社の強みを生かし、弱みを補うにはWebサイト活用が有効です。

大手発注元中心の業務をしていたのなら新規開拓のための飛び込み営業はハードルが高すぎます。営業経験がなくとも対応ができるようにWebサイトを活用して技術相談を獲得する作戦です。難しい依頼を受け難題を解決するという自分の得意なフィールドで勝負するのです。

もしかしたらインターネットでアルミ鋳造のPRができるのか?疑問に思われるかもしれません。しかし、実際には予想以上に多くの人がアルミ鋳造関連の情報を探しているのです。Google(日本国内)でアルミ鋳造関連のキーワードが検索される回数は1か月間で19,320~23.230回です。(Google Adwords:キーワードプランナーで「アルミ鋳造」に関係するキーワードを2014年7月に調査。)これだけ多くの人がGoogleを使ってアルミ鋳造に関連するキーワードを検索しているのです。御社が他社にできない形状の加工ができるなら新規開拓のチャンスは十分にあるのではないでしょうか。

まずはWebサイトに他社にできない形状の加工サンプル情報を掲載し、検索エンジンを活用してアルミ鋳造に関心を持つユーザーに効果的にアピールするのです。検索エンジンに上位掲載されることは決して簡単なことではありません。しかし、アルミ鋳造に特化したWebサイトであれば技術情報や加工サンプル情報をまめに更新し続けることで掲載順位も上がってくるものです。特殊な技術に専門特化したWebサイトは検索エンジンに評価されやすいのです。そして日本国内にアルミ鋳造専門のメーカーは多くありません。(一般消費財を扱う会社と比べて)そのため検索エンジン上での競争が比較的少ないのです。

検索エンジンに上位掲載されWebサイトを見つけてもらえるようになったら、Webサイトを通じて技術相談や引き合いが集まるようになってきます。その相談に社長と息子さんで対応するのです。それが後継者育成にもなり市場開拓にもなるのです。そして、技術相談からお客様とのコラボレーション商品や自社ブランド品を開発するチャンスをつかんでいけばよいと思います。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

「自社の独自技術を生かした製品開発と販売方法」というテーマですが、一般的に下請け中小企業にとっては、非常に難しいテーマですね。しかも、営業マンや企画担当者はおらず、この道40年の職人肌の社員が多い組織構成では新しい発想を求めようとしても、とても困難が伴います。

また、40歳になるご長男がいらっしゃるということは、ご相談されている経営者の方は70歳前後と推察いたします。これらを総合して、意見を述べさせていただきます。

1.強みは何か?
アルミ系合金を主体に鋳造加工の事業で、他社ではできない形状の加工が得意、少量の試作品の製造で高い評価を得ているということですが、自社の強みは何か?をもう一度見つめなおしてみてはいかがでしょうか。どのような形状が得意なのか?また多品種少量の試作品の製造において、他社より何がすぐれているのかがポイントになります。

そこをもう少し深く掘り下げ、高い評価を得ている「技術やサービス」に絞って、その強みをさらにアピールしていく手段を考えて行きます。
それには、長い付き合いの大手企業が、なぜ自社を選んだのか?を知ることです。大手企業が、自社にしか発注しないとしたら、他社がまねのできない何かがあるとしたら?それが強みなのです。

2.誰に何を売り込むのか
自社ブランドと言っても、一般消費者向け(B to C)に最終商品を開発することは、中小企業の規模で実現は難しいと言って良いでしょう。万が一ヒット商品を開発できたとしても、それを次のヒット商品につなげ、継続させるには、商品開発力や販売力が追い付きません。おそらく一過性に終わってしまうでしょう。

では具体的に誰に何を売ればいいでしょうか。
それは、顧客としての企業向け(B to B)に、自社の「強み」をメッセージとして伝え、売り込む努力をすることです。お客様に喜ばれ、安心感を与える技術・サービス、競合企業を退け、自社を選ぶきっかけとなったもの。例えば「アルミ合金鋳造の***における特殊形状加工技術と、試作***即応サービス対応」。絞られた特定の技術、それこそ、自社の「強み」なのです。
それと同時に、社内に対しても、「強み」を凝縮したメッセージを伝え、自社の「強み」を社員全員に浸透させます。それによって、会社全体で意識統一が図られ「強み」をさらに磨き、ゆるぎないものにします。

3.売り込むための手段
優れた技術・サービスを持っていても、それをお客様に伝えなければ意味がありません。伝える手段は、営業員の増員による営業活動の強化、広告投資、ダイレクトメール、ウエブサイト充実などが考えられますが、その作戦は、新しく転職してきた長男に担当してもらうことを提案します。

いくら優秀な技術でも、お客様に売る事、伝える事に投資しなければ、売れるものも売れません。長男はまだ、アルミ加工の専門的な技術は熟知していません。がしかし、強みをメッセージとしてどのように伝えたらいいかは、少なくとも70歳の経営者よりは、アイデアも行動力も持っていると思います。若い柔軟な発想をここで十分に発揮してもらいます。

4.事業構造の転換
このことをきっかけに、下請け構造からの転換を図って行きます。
高い技術力があるのですから、それをアピールして、新規顧客を獲得し、事業を伸ばす戦略に転換していくことを会社の方針として明確にします。もっとお客様にアピールして認めてもらう、それには若い長男のバイタリティーとリーダーシップのもとに、経営革新を推進し、同時に世代交代を進めて行くことが必要と考えます。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

 鋳造加工技術と他社ではできない形状実現が強みとのことですが、第二創業のコンサルティング経験、ものづくり補助金、高度化事業補助金、NEDO補助金等の審査経験などから、簡潔にアドバイスします。結論から先に述べます。成功確率の高い独自製品開発のアプローチ方法は、お客様の潜在ニーズを把握、分析した上で、自社技術の強み(シーズ)を生かした異業種分野(違う土俵)の製品を開発することです。例えば、具体的な独自製品は、他社ではできない形状実現を活かしたデザイン性重視の高齢者向けリビング用品、生活用品または若者向けアクセサリーの開発となるのではないでしょうか。もし、自社技術が不足するときには、地域公設機関や大学の技術を活用すること、資金不足の場合には、公的補助金を活用することです。そして、販売戦略として、ウェブマーケティングの活用になります。初めの第一歩は、リスクの小さい方法を例示します。幸い、比較的客観的視点で判断できそうな息子さんがおられますので、彼をプロジェクトリーダーに指名することです。彼を、コンサルティング会社や公的機関主催の創業塾に通わせ、新製品開発と販売戦略を考え抜かせることです。開発テーマが決まり、テストマーケティング段階では、中小企業ものづくり製品モールへの出店が早道と考えられます。

 具体的手順は、タイミングが合えば、息子さんをコンサルティング会社や公的機関主催の創業塾に通わせながら計画を実行することです。経営戦略、新製品開発、販売戦略などを同時に学びながら実践できます。その過程で、自社技術の棚卸を行います。補助金審査等でよく感じることですが、技術力が高いと社長は思っていても、客観的に判断されると中の中や中の上レベル程度の場合がほとんどです。自社技術をS(強み)W(弱み)O(機会)T(脅威)分析し、何をしたいかを明確化します。次に、人生ニーズ(〇〇な人生を送りたい)や生活ニーズ(△△したいの潜在ニーズと「こういうものを提供したい」というシーズ(自社の強みを含む)を確認します。独自製品開発では、自社単独で開発可能な製品アイデア、地域公設機関や大学の技術を付加したコンセプトなどが考えられます。開発製品が決まったら、補助金を申請しましょう。例えば、平成25年度から創設された「ものづくり補助金(1000万円・補助率2/3)」は約40%が採択されるハードルの低いものです。今回のようなテーマでは、申請書の記入方法が論理的に矛盾がなければ、ほぼ取得可能です。そして、試作後、テストマーケティングで中小企業ものづくり製品モールなどに出店してターゲット顧客の反応を見てみます。最終的に、リアルな展示会への出品や自社のウェブサイトを構築に繋がればよいと考えます。


回答者:ぷろえんじにあ代表 粕谷茂




ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

ご質問内容から、次の二つの重要な経営課題があるものと受け取りました。①自社ブランドの製造販売を行う新規事業の立ち上げ②ご子息への事業承継。受注量が減少していない中で、体力があるうちに次の手を打つことは大変重要と考えます。一方、これまでのビジネスモデルから大きく変化させる必要があり、時間を掛けて取り組む必要が有ります。幸いご質問者様のご子息は、御社での経験が浅く新規事業立ち上げに対しての抵抗も少ないと思われますので、事業承継も兼ねてご子息を中心に、新規事業に取り組まれることをお勧めします。第一歩として、ご子息をリーダーにした新規事業プロジェクトを立ち上げ、今後5年間の新規事業を含めた経営ビジョンを策定されてはいかがでしょうか。以下に順を追ってご説明します。

1.新規事業とは
グロービスのMBA経営辞書では、新規事業を下記の三つに分類しています。
①ハード要素を強みに事業展開を図る。
技術的な革新により新製品を創り出すパターンです。
②ソフト要素を強みに事業展開を図る。
マーケティング手法やビジネス・システムの変革などによって、新しいビジネスモデルを作るパターンです。新チャネルを構築するなどの事業展開がこれに当たります。
③ニッチ市場を開拓する。
それまで誰も気付かなかった新しい市場を発見・開拓し、いち早く優位性(ノウハウ、優良顧客、調達先その関係など)を構築するというパターンです。

御社の新規事業は、主として②に当たります。これまで培ってきた鋳造技術の強みとアイデアを組み合わせることで、新しいビジネスモデルを作る必要が有ります。ビジネスモデルとは、「誰に」対して、「どんな価値」を、「どの様に提供」するかです。まず、「誰に」対してですが、消費者向けか事業者向けかを選択する必要があります。「どんな価値」については、鋳造技術を用いることが前提となりますが、消費者と事業者向けでは異なります。「どの様に提供」に対しては、「誰に」対して、「どんな価値」を提供するか決めてからとなります。まずは、御社の鋳造技術を用いて、誰に対してどんな価値を提供出来るのか検討する必要が有ります。ご子息をリーダーにして、将来の幹部候補となる有望な中堅社員を中心にプロジェクトメンバーを立ち上げ、新規事業の方向性を決める事が最初の段階となります。

2.ブランドとは
次に自社ブランドの構築ですが、ブランドとは、「個別の売り手もしくは売り手集団の財やサービスを識別させ、競合他社の財やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの」とアメリカ・マーケティング協会により定義されています。
ブランドの役割として次の三つの機能があります。
①出所表示機能:その製品やサービスは誰が製造、あるいは提供しているのか、という出所の表示です。これにより、お客様が安心して選択することが出来ます。
②品質保証機能:その製品やサービスの品質を保証することです。お客様は期待する品質を理解した上で選択することが出来ます。
③広告宣伝機能:製品の情報を伝達することです。マーケティング活動を通じてお客様に商品情報が伝わると、お客様がブランドに接したときのアピール力は著しく増幅されることとなります。

御社が自社ブランドを立ち上げようとしている目的は何でしょうか?自社ブランドを持つことで、「お客様が競合品の中から御社の製品を選択する。」と言うことではないでしょうか。その為には、お客様から、御社がどの様な企業であるのか理解され、製品の品質を認めてもらう必要が有ります。つまり、自社ブランドを構築するためには、御社自体をアピールし、期待される品質が保証される理由を明らかにしていく必要が有ります。従いまして、自社ブランド構築の前に、御社自身の棚卸を行う必要が有ります。ご子息は、入社して間もないため、沿革や製品の特徴、製造工程、お客様から選ばれている理由、こだわりなど、第三者の目で分析出来ると思われます。御社としての強み源泉を明らかすることで、自信を持って御社自体をアピールできると考えます。また、御社の強みの源泉を考慮して、自社ブランドの商品コンセプトも明確にしておくと良いでしょう。自社ブランド立ち上げと同時に、御社のアピールを同時に行うことで、お客様からの信頼が高まることが期待できます。また、自社ブランド立ち上げ時には、商標登録しておくことをお勧めします。③広告宣伝機能については、時間と費用が必要ですので現段階では対応する必要は有りません。

3.経営ビジョンの策定
経営ビジョンとは、将来の有るべき姿を具体的に表したものです。御社の場合は、これまでの受託加工から、自社ブランド製品の販売を行おうとしています。経営ビジョンを策定することで、御社が進むべき方向性、将来の企業像、到達すべき目標の共有化が図れるとともに、事業計画作成の基とすることが出来ます。
御社の場合は、従来の受託加工と新規事業の比率や関連性、新規事業の将来像を示すことで、従業員や社外の関連する組織の協力を得ることが期待できます。特に高齢の職人も多いようですので、人材面での将来像も示しておくと良いでしょう。また、事業承継として、ご子息が進めようとしている経営の方向性を明らかにする効果もあります。

4.事業承継
最後に事業承継について簡単に説明します。事業承継は経営者の最後の使命であり最も重要な使命の一つです。幸いにも御社の場合は、ご子息が入社されて後継者の第一候補と思われます。新規事業を成功させることが出来れば、従業員や社外の関係者からの信頼を勝ち取ることができ、事業承継がうまくいくことが予想されます。新規事業プロジェクトを通じて、御社自身を理解するのはもちろん、経営者としての力量を高めることも重要です。例えば、協力企業や支援者との人的ネットワークの構築や経営に関する知識の習得、異業種交流会の参加などです。今後5年間のタイムスケジュールを立て、定期的に進捗状況を確認しながら進める必要が有ります。




ANSWER
回答No5 | 投稿日時:

2018.9現在
「アルミ系合金を主体に鋳造加工」は、
 現在注目されている技術の一つです

成功事例から、超音波技術の利用を提案します

アルミは、超音波の影響を受けやすく
適切な刺激を実現させると、均一化が成功します

代表事例は、ソ連当時のロケット・軍事製品です

日本の自動車メーカーでも超音波利用による
アルミダイキャスト・・・成功事例が増えています

均一に合金を分布させることで
他社との差別化に成功できます(注)

注:高い超音波制御技術が必要です

具体的な一歩として以下を推奨します

1:超音波の調査

2:ロシア(ソ連当時)のアルミ製造技術調査


参考書

超音波工学と応用技術:
 ベ.ア.アグラナート/[他]共著 青山 忠明/訳 遠藤 敬一/訳:
 日ソ通信社