SAWフィルタとは スマホでは不可欠?

SAW

 

弾性表面波(SAW)の民生用への応用はテレビの映像中間周波数用フィルタが最初で、その後、コードレス電話などへの応用を経て、今やスマートフォンに欠かせない重要部品となっています。必要な周波数は通して、不必要なものはフィルタリングするSAWに代表される高周波フィルタは、スマホでは不可欠なRF部品です。スマホ出荷台数の増加とスマホ本体のハイエンド化に同調して、SAWフィルタの生産数は爆発的に伸びています。スマホ市場拡大の恩恵を最も享受しているスマホ部品の主役です。今回は、SAWフィルタの概要を解説します。

 

1.SAWフィルタとは

(1)SAWフィルタの特長

SAW(surface acoustic wave 弾性表面波)は弾性体表面を伝搬する波のことで、この表面波の性質を応用したフィルタがSAWフィルタです。小型・薄化が可能で、なおかつ高性能で安価という、まさにスマートフォンに最適な特長を持っています。

 

(2)SAWフィルタの用途

SAWフィルタは、スマートフォンなどの移動体通信に使用される周波数帯を中心とした信号のフィルタリング用に使用されます。必要な周波数だけ通して、余計な周波数を取り除くことがこのフィルタの役割です。スマートフォンはLTE、多バンド化などで様々な周波数帯に対応するため、1台に搭載されるSAWフィルタの数は増加し続けています。スマートフォンのハイエンドモデルでは、1台あたり20個以上のSAWフィルタが搭載さます。

 

(3)SAWフィルタの原理

物質に圧力を加えると、圧力に比例する形で表面電荷が表れます。この現象を示す物質は圧電体と呼ばれ、この表面に交流電圧を加えることにより(Surface Acoustic Wave:SAW)弾性表面波が生じます。固体表面を伝搬する機械的振動の波です。圧電性基板の上に櫛形電極をつくり、電気信号を振動エネルギーにエネルギー変換します。この原理を利用した無線通信用のフィルタをSAWフィルタと呼んでいます。

 

2. SAWフィルタの市場規模

SAWフィルタを形成する市場は、スマートフォン端末1台で様々な通信方式に対応したり同じ通信方式でも国や地域によって周波数帯が異なるなど、SAWフィルタの需要を牽引する市場の大きさは凄まじいものがあります。

 

SAWフィルタは、携帯電話1台あたりミドルレンジスマホでは6~8個、ハイエンドスマホでは実に15~20個も搭載されています。さらに、中国の4Gスマホにおいては、チャイナモバイルなどの通信キャリア大手が3モードではなく、5モード/12バンドを標準仕様と位置づけており、SAWフィルタの搭載員数がiPhoneなどハイエンドスマホに迫る勢いです。SAWフィルタは現在、年間150億個を超える需要があるとされており、今後は、200億個を超える需要に達することが確実視されていま...

SAW

 

弾性表面波(SAW)の民生用への応用はテレビの映像中間周波数用フィルタが最初で、その後、コードレス電話などへの応用を経て、今やスマートフォンに欠かせない重要部品となっています。必要な周波数は通して、不必要なものはフィルタリングするSAWに代表される高周波フィルタは、スマホでは不可欠なRF部品です。スマホ出荷台数の増加とスマホ本体のハイエンド化に同調して、SAWフィルタの生産数は爆発的に伸びています。スマホ市場拡大の恩恵を最も享受しているスマホ部品の主役です。今回は、SAWフィルタの概要を解説します。

 

1.SAWフィルタとは

(1)SAWフィルタの特長

SAW(surface acoustic wave 弾性表面波)は弾性体表面を伝搬する波のことで、この表面波の性質を応用したフィルタがSAWフィルタです。小型・薄化が可能で、なおかつ高性能で安価という、まさにスマートフォンに最適な特長を持っています。

 

(2)SAWフィルタの用途

SAWフィルタは、スマートフォンなどの移動体通信に使用される周波数帯を中心とした信号のフィルタリング用に使用されます。必要な周波数だけ通して、余計な周波数を取り除くことがこのフィルタの役割です。スマートフォンはLTE、多バンド化などで様々な周波数帯に対応するため、1台に搭載されるSAWフィルタの数は増加し続けています。スマートフォンのハイエンドモデルでは、1台あたり20個以上のSAWフィルタが搭載さます。

 

(3)SAWフィルタの原理

物質に圧力を加えると、圧力に比例する形で表面電荷が表れます。この現象を示す物質は圧電体と呼ばれ、この表面に交流電圧を加えることにより(Surface Acoustic Wave:SAW)弾性表面波が生じます。固体表面を伝搬する機械的振動の波です。圧電性基板の上に櫛形電極をつくり、電気信号を振動エネルギーにエネルギー変換します。この原理を利用した無線通信用のフィルタをSAWフィルタと呼んでいます。

 

2. SAWフィルタの市場規模

SAWフィルタを形成する市場は、スマートフォン端末1台で様々な通信方式に対応したり同じ通信方式でも国や地域によって周波数帯が異なるなど、SAWフィルタの需要を牽引する市場の大きさは凄まじいものがあります。

 

SAWフィルタは、携帯電話1台あたりミドルレンジスマホでは6~8個、ハイエンドスマホでは実に15~20個も搭載されています。さらに、中国の4Gスマホにおいては、チャイナモバイルなどの通信キャリア大手が3モードではなく、5モード/12バンドを標準仕様と位置づけており、SAWフィルタの搭載員数がiPhoneなどハイエンドスマホに迫る勢いです。SAWフィルタは現在、年間150億個を超える需要があるとされており、今後は、200億個を超える需要に達することが確実視されています。

 

3. SAWフィルタの今後の課題

SAWフィルタの小型化は近年めざましい進歩を遂げていますが、さらに一回り小さくすることを目指すためには、チップ材料とチップ設計の両面でのアプローチが欠かせません。また、材料面での改善も不可欠です。SAWフィルタの基板材料には現在、リチウムタンタレートやリチウムナイオベートが使われていますが、二酸化ケイ素の誘電体薄膜を電極の上につけることで高性能化するような試みが進んでいます。材料プロセスと回路の設計をバランスよく調和させることが、SAWフィルタの今後の課題です。

 

 

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この記事の著者

鈴木 崇司

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~


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