FMEA 故障モード影響解析(その2)手順

 

【目次】

 概要・効用・特徴
 1. アイテム  
 2. 手順 ← 今回掲載分
 3. 評価
  1) 項目別の評価
  2) 合否の判定
 4. 実施者
 5. 事例考察
 6.あとがき

 
 

2. 手順

 下図は、アイテム(ホース)についてFMEAを行ったワークシートです。

FMEA

ワークシート

 左から順に説明します。

1) 品名(別称:部位、アイテム)

 故障モード(構造破壊)が発生し得る場所を示します。「部品」とありますが、部品単体ではなく、完成組立品やユニットを構成する「構成部品」のことです。この品名の部分のフォーマットをより詳細に示せば、下表のようになります。

FMEA

ワークシートの先頭部分

2) 故障モード

 構造破壊を指します。

〔注〕

  • 動かない、止まらない、騒音が出る等は故障であって故障モードではない。
  • 全ての故障モードを列挙するのではなく、起こり得るもの(potential failure mode)だけを挙げる。
  • 事例のホースの故障モードは、材質劣化→白化→亀裂と進むが、いずれも故障モードであり、これを「故障モードの進行」という。関係者はこの進行を知っているので、すべてを挙げる必要はなく「材質劣化」または「白化」を挙げれば十分。

3) 要因

 故障モードが発生するメカニズム(GM:generating mechanism)を指します。要因が不明でも、対策を打てる場合が多いのです。その場合、要因欄は空白でよいでしょう。事例では、経年劣化が要因です。

4) 影響 S(Severity)

 故障モードが及ぼす最悪の結果(故障、災害、損失~等)を指します。事例ではガス爆発、火災などが連想されますが、関係者は「ガスもれ」と書くだけで理解できます。

5) 対策

 故障モード or 影響についての対策を指します。「対策」とは現在、既に採用している対策の意味です。「現行管理」という表現でもよいでしょう。自然に備わっている強度や性質なども含まれますが、その場合は記載欄を空白にします。

〔注〕

 事例の「法定検査」とは、ガス事業法で規定するガス供給業者による定期的なガス器具の検査義務を指します。設計者は、この検査と交換によってホースの経年劣化を防ごうとしています。

 評価欄の前に対策欄がないフォーマットは、合否判定の対象がないことになります。FMEAの目的は「対策の状況」を評価することであって、単に評価しても「何を評価したのか」不明です。

 次回は、3.評価から解説を続けます。

 


この記事の著者

鵜沼 崇郎

小学生は「習うより慣れよ」、管理技術は「慣れるより、考えよ」

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