FMEAの目的と本質 (その2)

 前回のその1に続いて解説します。
 

4.FMEAの実施手順

(1)要員の選定・招集

 
FMEA
FMEAを実施するために4人から6人のその場限りのFMEA班を組織します。要員は様々な分野から選抜し、また対象の製品(または工程)に対する理解度も様々であることがよいとされます。但し、メンバーはそれぞれの技術のプロでなければなりません。
 

(2)システムの構造・機能の把握

 本来、ある機能を実現する為に製品が設計されるのですから、設計段階ですでにシステムの構造・機能の設計は完了しているはずです。FMEAは機能設計だけでなく故障が起きないようにする信頼性設計が行われた後に実施します。必ずしも設計した当人だけでFMEAを行うわけではないため、図面やフローチャートなどの設計資料や製品のプロトタイプ、工程をチーム全員で検分し、FMEAの対象(製品・工程)について共通の正しい理解をメンバーに持ってもらいます。
 

(3)対象部位の選定

 例えば、自動車を考えてみれば、製品や工程全体に対して一度にFMEAを行うことは現実的ではありません。適当な単位に分割し、複数の班で同時に行うか、ひとつの班が何回かに分けてFMEAを行います。FMEA実施中の脱線を防ぐために、それぞれのFMEAの対象は明確に、具体的に決める必要があります。
 

(4)要求される機能の記述

 故障モードがまずあり、その故障モードが機能に及ぼす影響を検討するのがFMEAですから、本来、FMEAの最初に機能を検討する必要はありません。ただ、故障モードを列挙する際、ある故障に対してそれを引き起こす故障モードを考えることも成されるので、要求される機能を明らかにしておく必要があります。
 

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(5)故障モードの列挙

 FMEAは故障モードを列挙することから始まります。基本的には故障モードは、典型的なものを含みます。例えば、ボルトは折れるかもしれないし、配管は詰まるかもしれない。ただしこの時、その故障モードが実際に起こるかどうかは考えません。
 
 例えば「こんな太いボルトが折れるはずはない」とか「この配管はそもそも詰まるものは流れない」などというような故障モードが実際に発生するかどうかの可能性は考慮せずに列挙します。
 
 次に、故障モードを列挙する際、設計した状態に潜在する故障モードのみを列挙します。つまり、対象の製品は設計どおりの正しい部品を正しく組み立てたという前提で考えます。例えば、「ボルトの長さが足りない場合、締結が不十分になる」などというのは工程FMEAで考慮する故障モードか(正しい部品をつけない、という故障モード)、あるいは単なる設計不具合(寸法を間違えた)となります。
 
 また、工程FMEAを考えるときも設計は正しいという前提で故障モードを列挙します。例えば、「寸法公差が不適切で部品同士が合わない場合がある」などというのは設計上のミスであって、工程FMEAで考慮すべき故障モードではありません。
 
 次回、その3では、FMEAの実施手順の故障モードの影響から解説します。
 

この記事の著者

濱田 金男

製造業の現場ですぐ使える独自の品質改善技法の開発と普及活動を行っています。 「ヒューマンエラー防止対策」「簡易FMEA/FTA」「しくみを対策するなぜなぜ2段階法」

1972年OKI高崎事業所入社、設計、製造、品質部門を経験、多くの品質問題に かかわり、失敗経験も豊富、 2014年独立「中小企業」で実務ですぐ使える技法とツール開に取り組む! ●事後対策主体の品質管理から脱却 発生した問題の原因解析…

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