書評検索結果

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「中小製造業復活7つの改革」濱田金男著

投稿日 2021/01/21

本書は40年間製造業でのプロセス改革に従事し、その後一貫して工業経営を指導してきた著者による中小企業革新の指南書です。

中小企業は中小であるがために、人材や資金などが潤沢とはいえず、一般的に次の7つの課題を背負っています。
(1)人材育成改革
(2)組織改革、
(3)生産プロセス改革
(4)品質改革、
(5)生産性改革
(6)デジタル改革
(7)意識改革

本書ではそれぞれの課題を、現代の社会背景に合せて解説し実現に向けての考え方と、具体的方策を示します。
170ページの中にあらゆる情報を盛り込むことは不可能ですが、活動を始めるヒントが必ず得られるでしょう。

社会や産業が大変革を起こしているこの機会に、現在の自社事業運営を見直してみたい中小企業経営者におススメです。

「話し方の教科書」亀山雅司著

投稿日 2019/04/03

本書は、博士&技術士というバリバリの理系でありながら、ふとしたきっかけから1000万円以上の自己資金を投じてエンジニアの話し方を徹底的に研究した筆者による、技術者業務を円滑に進めるための指南書です。
副題はズバリ「最強のエンジニアになるための」

私たちは技術を生業にしていますから、理路整然と話を進める習性があります。
しかしだからといって、打ち合わせや交渉がうまく進まないことがあると経験的に知っています。

物事はロジックと違う観点で進むことも多いのです。なぜなのか?
著者はそこでラポール(共感性)の重要性を教えてくれます。

本書では、多くのエンジニアが不得意とするロジック以上に大切な考え方を知ることができ、特に第4章の「戦略的な話し方」は秀逸です。

絶対に自分が正しいはずなのに、なぜか思った通りの結果が得られないとお悩みの、すべての技術者におススメします。

「理科系の作文技術」木下是雄著

投稿日 2018/01/10

本書は、元学習院大学の物理学教授が、研究社・技術者向けに執筆した文章の書き方指南書です。

1981年の初版ですが、以来版を重ねて発行部数が100万部を超え、現在でも毎年重版を重ねているそうです。

文章力は文系人間だけに必要な能力ではありません。
製造業のエンジニアにも、報告書、論文、仕様書など業務の中で様々な文書を書く機会があります。

「文章の組立て」、「パラグラフ」、「文の構造と文章の流れ」、「はっきり言い切る姿勢」、「事実と意見」、「わかりやすく簡潔な表現」などが丁寧に解説され、「なるほど!」の連続です。

本書を読む前と本書を読んだ後では文書の書き方が変わるほど、文書の書き方の意識を変えてくれる本です。

自分の書く文章にいまひとつ納得できない理系のあなたにおススメの一冊です。