書評検索結果

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「ものづくり生産現場の社会システム」野渡正博著

投稿日 2017/11/02

本書は、40年に渡り「チームワーク」を追求してきた著者による、生産現場の共同作業研究の集大成です。

私たちは何気に「チームワーク」を口にしますが、往々にして観念的で、象徴として語られることが多い気がします。

本書では国内外15000人に及ぶアンケート調査を通じて、組織軸、業種軸、地域軸などでチームワークの特性を学者ならではの統計ツールを駆使して抽出します。

生産現場における「働き方改革」に悩む現場管理マネージャーにおススメです。

「プロフェッショナルの条件」P・F・ドラッカー著

投稿日 2017/03/08

本書はドラッカーの過去の著作から個人の生き方と働き方というテーマに沿ったものを抽出し、加筆・訂正を加えて、新たに編纂したものです。

ということで、ちょっとまとまりがないのですが、どこを読んでも生きるヒントがちりばめられています。

意外なことに、生産性向上の重要性を説くためにテイラーのIEに関する記述が延々続いたりします。

S・R・コビーの「7つの習慣」を彷彿とさせる表現もある中で、特に共感するところは次のような提起です。

1.強みを知り、それを活かす
2.時間を有効に使う
3.権限ではなく、貢献を重視する
4.重要なことに集中し、無駄なことをしない

日々の雑事に追われて中々思うような成果が上がらず、基本に帰って中期的成長を志す革新者におススメです。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの イノベーションと企業家精神を読んだら」岩崎夏海著

投稿日 2016/11/23

本書は、言わずと知れた「もしドラ」の続編で、「もしイノ」と略して呼ばれるようです。

正直先日の交流会で著者の講演を聞かなければ、読み損ねていたかもしれないのですが、当社の英語名称が「Industrial Innovation Institute Inc.」である以上、このイノベーション関連書(?)を読む必然性があります。ちなみに講演会の内容は、日本国民全体の意識イノベーションを求める至極まっとうな内容でした。

前作に比べてドラッカー書からの引用が多く、解説風の記述も多いように思われました。一方野球部を題材にしているにも関わらず、小説全体の3分の2くらいまで行かないと野球をする部員は現れないという変わった構成です。

そして後半の野球試合は前作同様に荒唐無稽というべきですが、前半の一般常識をことごとくひっくり返す一連の活動は、さすが秋元康氏と共にAKB48を企画した著者だけあって予定調和を裏切り続けます。
ここまでやって初めてイノベーションであると気づかせてくれるところが本書の価値だと思いました。

革新的な新製品、あるいは業務の革新を命じられて手の付け所に困っているあなたに絶賛おススメの一冊です。