「価値づくり経営の論理」延岡健太郎著

投稿日 2016/10/18

本書は、MOT界の第一人者である著者による、日本製造業の課題分析書であり、躍進のための指南書です。
「ものづくりからことづくり」と言わて久しくなります。
延岡氏はそれを「価値づくり」と呼び変えることで単なるスローガンから具体的行動指針になると主張します。
顧客にとっての価値は、機能的価値と意味的価値の合計で前者が日本製造業が得意とするものづくりに相当しますが、新興国の技術力向上やデジタル革命、情報伝達が容易になったことなどで、差別化が難しくなってきました。
そこで後者の意味的価値を生み出すために消費財では自己表現価値とこだわり価値、産業財においては潜在的な課題解決に焦点をあてて、製品企画することを提案しています。
忘れてならないのは、模倣されにくい積み重ね技術を持っている日本製造企業だからこそ実現できる価値があり、それが市場から強く求められているという点です。
中堅企業で新事業、新製品の企画、開発を担当して、お悩み中のあなたに絶賛おススメの一冊です。