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QUESTION 質問No.208

技術系以外の分野、どう系統づけて学べば良いか

設計・開発技術マネジメント |投稿日時:
私は技術者として、一つの選択をして技術系の管理職の道を歩みつつあります。しかし、ただの管理職では付加価値が低いとの思いで、技術について知見があることを活かし、いろいろな技術を目利きして、技術を組み合わせて、製品や事業、新市場創出につなげるリーダーを目指しています。それでも、技術系以外の分野はすそ野が広く、どう系統づけて学べば良いか悩んでおります。このようなことにもアドバイス頂けるのでしょうか。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

製造業ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。

「製品や事業、新市場創出につなげるリーダーを目指しています」とのこと。
「技術を組み合わせて、製品や事業、新市場創出につなげる」ために必要となる条件として、自身の経験から、リーダーとして身に付けておかなければならないスキルを列挙します。

一つ目は、システム思考
二つ目は、技術マネジメント能力
三つ目は、プロジェクトマネジメント能力
四つ目は、技術経営(MOT)理論の理解

1.システム思考とは
システムとは、ある目的を達成するために、関係づけられ、組み合わされた機能要素の集合であり、組み合わされることによって、単なる要素の和としてではなく、それ以上の特性を発揮するものと定義されます。
システムを設計する場合、様々な技術要素のしくみを一つ一つ解明し、要素同士を組み合わせた時に生じる技術的課題を解決し、市場の要求に応えられる新しいシステム(製品・サービス)を生み出す能力が必要となります。
そのためには、科学的・論理的な分析力、仮説設定と検証能力、想像力など総合的な能力を磨く必要があります。

2.技術マネジメント能力とは
システムした製品を設計しただけでは売り上げ、利益を生み出さず、社会にも役立ちません。製品として、世の中に受け入れてもらうためには、市場調査、ターゲットの設定、機能・価格設定、具体的な商品設計、試作評価、運用テストなどの商品化プロセスについて、誰が、いつ、どのような技術的手段を用いて実現するのかを計画し、実行するネジメント能力が必要となります。

3.プロジェクトマネジメント能力とは
商品化プロセスを実行する段階において、人や組織、あるいは協力企業をコントロールし、品質・コスト・スケジュールの課題、問題を一つ一つ解決しながら開発を進めます。
プロジェクトマネージャーとしては、リーダシップ、調整能力、課題解決能力、リーダーとして前向きで、信頼される強靭な精神力などが求められます。

4.技術 経営(MOT:Management of Technology)とは
企業経営では「技術経営力」の優劣がその企業の盛衰を分ける重要な鍵になると言われています。MOTの根幹は新しいものを創造するコンセプト創造型リーダーシップマネジメント能力です。
MOTに関するセミナーも開催されているようですので一度参加されてみてはいかがでしょうか?




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回答No2 | 投稿日時:

こんにちは。
技術士(情報工学部門)の坂東です。
技術士ということで、IT系のエンジニア(コンサルタント)です。

その一方で、私は通訳案内士(英語)という国家資格も有しております。
つまり、「ITとEnglishの二刀流」という名目で個人事業主をしております。

技術系の専門スキルは既にお持ちのようですので、それ以外の分野を習得したいのであれば、「自分の有している技術力との”シナジー(相乗効果)”を発揮できるか否か?」を考慮されると良いと思います。

例えば、私の場合ですと「ITとEnglishの両方のスキルを要する仕事」を(ほぼ独占的に)できるという強みがあります。
具体的に言うと、ソフトウェア製品のローカライズ(技術翻訳)やオフショア開発のブリッジSE(外国人エンジニアとの共同開発の橋渡し役)と言った仕事です。
「ITのみ強い」又は「Englishのみ強い」という人材の数は多いのですが、それらの両方に強い人材は多くありません。
つまり、自分のライバルが少ない”ブルーオーシャン”の仕事という訳です。

著名な経営コンサルタントである大前研一氏は、21世紀のビジネスマンの三種の神器は「IT、語学、金融(会計)」であると述べています。
ご自身の専門に加えて、この三種の神器をマスターすると良いでしょう。

加えて、「いかにして、技術をビジネスに結びつけるか?」という議論に関しては、「ユーザー視点のエンジニアリング」が必須となります。
手前味噌ではありますが、私が専門としている「UX(ユーザーエクスペリエンス)」という分野が、ユーザーの感情や使い勝手を製品の設計や品質評価に取り入れることで、製品やサービスの品質(満足度)を向上し、その結果として、売上アップ(お得意様の確保)を計ろうという話です。
この「UX(ユーザーエクスペリエンス)」というキーワードでインターネット検索されますと、色々と有益な情報源が見つかります。今は、IT系の記事が多いですが、そのうち、他の技術分野にも波及していく話です。

勿論、UXに関しては、私の方にも何なりとお気軽にご相談ください。

「UX(ユーザーエクスペリエンス)」
https://www.monodukuri.com/gihou/article/772




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

 企業の技術コンサルティング、技術士資格の普及・啓蒙、技術者のキャリア開発等を支援している立場から、香山さんの相談について、下記の切り口で整理してみました。
まず、結論を先に述べます。いままでの経験から、キャリア開発と業務に非常に役立った具体的スキルは、次のものです。顧客志向を気づかせると「マーケティング」、ロジカルシンキングが体得できる「KT法」、合理的仕事の進め方が分かる「プロジェクトマネジメント」、利益について深掘りできる「財務・会計」、投資効果を判断できる「経済性工学」、発想の切り口とシステム思考が身に着く「TRIZ」、、傾聴力強化とメンバーの動機づけの基本を学べる「コーチング」等。

(1)ゴールを見据えたキャリア開発
 技術系の専門職でもなく、管理職でもない第3のキャリアを模索してきたことは、私と同じです。その前に、高年技術者が生き残るためにはどうしたらよいかということを先に考えてみましょう。TRIZ的に言えば、究極の理想解(あるべき姿)は何かです。企業は、中高年技術者に、具体的にどういう能力を求めているのでしょうか。キャリアカウンセラーとして支援した技術者を約100人抽出し、異動や転職が成功した人の強みを統計的に整理してみました。結果は、次のようになりました。ハードウェア系職種だけでなく、SE等のソフトウェア系職種も同様でした。
 ①専門性
 ②コーディネート力
 ③人脈
 ④マネジメント能力
 ⑤リーダーシップ
 ⑥語学力
 
(2)目指すべき第3のキャリアとは
 例えば、家電、機械、自動車メーカーでも、部品の問題点に対して、各専門別に数十人の専門家が集まらなければ議論にもならないことがよくあります。それらを総合的に判断できる技術者は非常に少ないようです。自分の専門以外は、よくわからないと言っている専門家が多いのです。
 イタリア企業は、スペシャリストやエキスパートではない「プロジェティスタ」というモデルを推進することで、人材や企業の生き残りをかけています。プロジェティスタとは、マーケティング、企画、デザイン、開発、生産のビジネスプロセスに関与して、クリエイティブ業務を遂行するイタリア版超多能工リーダーのこと。実際には、コンサルタントが依頼企業に常駐し、プレーイングマネージャーとして、プロジェクトを推進する場合もあるようです。日本の場合も、自動車メーカーには、車種ごとに、主査と呼ばれるプロジェクトリーダーを任命しているようです。しかし、イタリアのプロジェティスタのレベルまで到達していない場合が多いそうです。
 私が大学で講師をしている「創成デザイン工学」という実践講座は、プロジェティスタの概念を意識しています。若いうちから、システム思考、フレームワーク思考等を体験させ、社会人になってからのクリエイティブな仕事や決定の選択肢を増やそうとしています。スキルとして、マーケティング、製品コンセプト立案、QFD、TRIZ、デザイン、3DCAD、プレゼンテーション技法等の仕事のプロセスを体系的に経験させています。

(3)第3のキャリアを系統立てて学習する方法
①技術士の総合監理部門の技術者を目指す
 技術士(Professional Engineer)とは、科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格です。まず、機械部門から原子力・放射線部門までの20技術部門の専門家を目指します。その上で、総合技術監理部門の専門家は、専門性に付加して、安全管理、社会環境との調和、経済性(品質、コスト及び生産性)、情報管理、人的資源管理の応用能力が求められます。通常業務をこなしながら、理論と実践のキャッチボールをしながら成長できる資格取得だと言えます。

②大学院のMOT講座の科目を学ぶ
 技術経営(MOT:Management of Technology)とは、簡単にいえば、技術を経営の立場からマネージすることです。主なカリキュラムは、研究開発マネジメント、IT戦略、プロジェクト・マネジメント、SCM、知的財産権、アカウンティング、ファイナンス、M&A戦略、企業倫理、リーダーシップ等です。少しブームは過ぎているかもしれませんが、学ぶべきテーマは、第3のキャリアにとって必須のものが多く含まれています。

③MBAまたは中小企業診断士講座の科目を学ぶ
 MBA(Master of Business Administration) の主なカリキュラムは、人材マネジメント、リーダーシップ、マーケティング、経営戦略、オペレーション戦略、アカウンティング、ファイナンス、クリティカルシンキング等です。このカリキュラムに近いものが中小企業診断士の試験科目です。具体的には、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、オペレーション・マネジメント(生産管理・販売管理)、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策。

ぷろえんじに代表:粕谷 茂